機器構成表であげられた音響機器の接続状態を表すために、システムブロック図を作成します。 システムブロック図では、音や映像を送り出す機器から出力する機器までの信号経路を図に表現します。
スピーカなどの系統数や入力の系統数、電源の確保など詳細な数量が明らかになっていないものでも、基本設計で想定した情報を記入しておくことでお客様にとって解りやすい図面になりますし、後に詳細設計を行う時にも役に立つ情報となります。
信号の経路に加えて、機器の設置される場所の情報や収納するためのラック内に収まる機器を線で囲むなどの情報を大まかに記します。
さらに、スピーカやワイヤレスアンテナなどの機器と一緒に設置されない器具は、天井に取り付けるものは出来るだけ図面の上側に、操作部などの床置きされる機器は、図面の下側に描くなどの工夫をすると、よりイメージの湧きやすい。
機器や器具の配置を検討し建築図面に落とし込みます。
建築図面のうち平面図、断面図、天井伏図、立面図などを元に想定した機器の設置を検討します。 広さ、幅、高さ、奥行き、メンテナンス スペースの確保や、施工の障害となるものの有無などを十分にチェックしていきます。 さらに、長尺ものや大きな機材の搬入経路や設置作業が行えるかなどの検討も合わせて行うようにします。
検討した結果をもとに設置予定の機器、器具を図面の縮尺に合わせて実際の寸法で各図面に記入します。
次に表現内容の例を示します。
平面図 | アンプラックや操作卓などの設置位置 |
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天井伏図 | 天井埋め込み・天井吊下げスピーカ、ワイヤレスアンテナなどの位置 |
立面図 | 壁面操作パネル、機器接続パネルなどの取り付け位置など |
機器配置図作成作業中に建物に関して要求がある場合は、その旨を建築設計担当者に伝えます。 建築設計に対する要求としては、音響調整室、アンプ室、大型のスピーカ設置、などに関係するものです。
全て建築形状に関わってきますので、早期に建築設計に組み込んでいただきます。
建築設計に対する要求の検討は、初期の基本設計段階で決定する項目ですが、ある程度建築工事が進んでしまうと変更が難しいので慎重な打ち合せを行います。
音響調整室 | 室内の高さ、広さ、フリーアクセスの有無、ピットの有無 など。 |
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アンプ室 |
室内の高さ、分電盤の位置、など。 空調設備(アンプ室内には、冷却用の空調設備が設置されます)との物理的な干渉、ケーブルラック等の高さチェック、ラックへの入線、ラックの設置方法。 |
大型スピーカ |
設置方法(吊、置き)も含めた具体的な設置検討をします。 建築図面上での十分なスペースの確保。 固定方法、エイミング調整の可/不可。 スピーカ用メンテナンス通路の確保。 |
天井埋込型スピーカ、 ワイヤレスアンテナ |
天井内の奥行き。 スラブまでの障害物の有無。 (アンカー吊下設置の可/不可) |
床下に空間を作り床通線を可能とした構造をフリーアクセスといいます。
凹みの総称をピットといいますが、ここでは音響調整室内に良く見受けられる、大量にケーブルを通す目的で造られた、室内の掘り込み構造を指しています。
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東京技術センター(八王子)の無響室は、簡易型ですが、 音響機器開発時に技術部内で音響試験、測定や、お客様のご依頼による音響測定のお手伝いなども可能です。 小型の無響箱や測定箱などでは測定できない大きさの機器でも測定でき、 ダミーヘッドを利用した実験などにも利用しています。 |