音響設計を行うには、建築の情報(室形、建築構造、内装材料)をできるだけ集める必要があります。
スピーカの向きのことです。 音響設備ではスピーカのエイミングがとても重要な意味を持っています。
設計の段階でスピーカの設置位置の検討を行う際、音響シミュレーションを行って、要件事項(要件にある場合に限る)をクリアできるのかを確認することもあります。
建築の状況を分析した上で、放送が必要となるカバーエリアを確認し、 スピーカの設置位置や数量、エイミング、受音点までの距離、スピーカの機種、アンプのパワー等、決定します。
下記の情報をもとに完成時の音響特性を計算し、予測することを言います。
室形(天井高、広さ、奥行)
壁、天井、床、客席の材質
スピーカ固有情報、取付位置、エイミング、数量
計算には音響シミュレーション用のソフトウェア(シミュレータ)を使用します。
設計の検証のために、これらの情報をもとに音響シミュレーションを行い、完成時の音響特性(残響時間 音圧分布 など)の予想を立てる必要がある場合があります。
さらに、建物内の配管の敷設ルートを検討したり、音響設備の設置場所を検討したりする場合、建築図面から多くの情報を得ることができます。 ですから、建築・内装の情報を得るために、入手可能な建築図面は一通り入手する必要があるのです。
主な建築図面の種類を次の表に記します。音響設計側から見たときにどのような情報が得られるかの簡単な説明を加えました。
図面名称 | 図面内容 | 音響設計関係情報 |
---|---|---|
付近見取図 | 建設位置、敷地までの道順 | 資材搬入計画 |
配置図 | 付近の道路と建物の関係、庭園計画 | 電源引込、 屋外スピーカ配置 |
平面図 | 間取り、出入口、壁や欄間の構造、 床仕上 |
機器の配置、配線、 配管計画 |
断面図 | 建物の主要部の断面 | 機器の配置、位置、高さ |
立面図 | 東西南北の建物の外観図 | 屋外スピーカ取付 スピーカライン引込 |
矩計図 | 外壁部の断面の各部の寸法、材料、仕上の詳細 | 立て配管、 床ふところ内配管 |
詳細図 | 特に詳しい説明を要する部分(棚、カウンタ、階段)の平面、立面、断面 | 特殊な箇所の配管、 配線及び機器取付 |
展開図 | 室の内側から見た4つの面の姿図 | スピーカ、アッテネータなどの 位置、高さ |
床伏図 | 木造併用の際の材の組み方 | 配管、配線、 フロアボックス取付 |
天井伏図 | 天井材の張り方、組み立て、 材質、塗装 |
天井埋込、吊り下げスピーカ取付位置 |
構造図 | 杭、基礎、柱、はり、の配置、 鉄筋の本数 |
大はり、小はりの配置床の厚さより配管、配線器具の取り付け |
基礎伏図 | 木造を乗せているコンクリート図 | 引き込みの貫通 |
軸組図 | 木造の組み立て方を骨組みだけ示したもの | 主材と補助材の区別、 欠損しても良い材の判別 |
仕上表 | 建物内外面の仕上表 | 機器配色、仕上げ |
仕様書 | 工事の名称、種別、面積、その他図面で表せない材質、調合、塗装方法が文章で記載 | |
建具表 | 建具だけを抜き出してまとめたもの |
特に平面図、断面図、天井伏図は、スピーカの設置を検討する上で重要になります。
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東京技術センター(八王子)の無響室は、簡易型ですが、 音響機器開発時に技術部内で音響試験、測定や、お客様のご依頼による音響測定のお手伝いなども可能です。 小型の無響箱や測定箱などでは測定できない大きさの機器でも測定でき、 ダミーヘッドを利用した実験などにも利用しています。 |