施工完了の後、設計時点の性能が十分に発揮できるよう機器の調整を行います。スピーカやラックなどの機器が正しく設置されているか、外部からシステムに入力する系統(マイクジャック など)、システムからスピーカまでの出力系統の通線が正しく接続されているかなど施工状態の確認を行います。
機器の調整過程は下記のようになります。
調整を行う前に建物に敷設されたケーブル類が正しく結線されているか などの施工状態を確認します。
音声の入力に使われるマイク/ラインケーブルやアンプの出力をスピーカに伝えるスピーカケーブルは、敷設距離が長い場合や施工区分の問題などによって、途中に接続盤などを設けてケーブルをジョイントして施工されることも多く見受けられます。
接続盤内でケーブルの極性が間違って接続されていたり、結線処理が不十分だったりすることの無いように施工状態をチェックして行きます。
音響設備では、操作卓からボタン1つで出力するスピーカのグループを変更をしたり、操作パネルから割り込み放送を行うなど制御を可能としているものが大半です。
それらの制御が正常に動作するためには、音声のケーブルと同様に制御用の敷設ケーブルなどのチェックも行います。
ここでのチェックが不十分な場合、工事終了後に再度施工業者に依頼するといった非効率的な事態を招く恐れがありますので十分に行います。
機器設置状態の確認
機器(スピーカやラックなど)が正しく、安全に設置されているか。
機器が他の設備に対して障害なく設置されているか(スプリンクラーの散水障害など)。
入力回線(マイク、ライン回線)でホット、コールド、シールドが正しく接続されているか。
制御回線のコネクタのピン配列は正しく接続されているか。
出力回線でインピーダンスメーターは適正値を示しているか。
マルチケーブルによる配線(ラック間の渡りケーブル、接続盤の渡りケーブル など)についても同様におこないます。
スピーカ線、マイク線、制御線の各回線で断線ポイントが無いか。
スピーカの回線はアースに対して絶縁されているか。
スピーカの位相チェック
スピーカの接続は極性が正しく接続されている
インピーダンスを測定する測定器です。
テスターとは異なり交流での抵抗値を測定できるようになっています。
スピーカの接続が正しく行われているかをチェックする時、位相チェッカーがあると便利です。
アンプの前段より位相チェッカーの発信機の信号を挿入し、スピーカから出てくる音をチェッカーで調べます。
現場の施工でマルチコネクタの取り付けなどを行った場合は、コネクタ内部で結線不良などが起こっている場合がありますので、十分なチェックをする必要があります。
|
音響技術
|
||||
音場制御 - 音場・騒音
|
|
||||
|
防災無線 - 診断と改善
|
||||
振動体感システム
|
|
東京技術センター(八王子)の無響室は、簡易型ですが、 音響機器開発時に技術部内で音響試験、測定や、お客様のご依頼による音響測定のお手伝いなども可能です。 小型の無響箱や測定箱などでは測定できない大きさの機器でも測定でき、 ダミーヘッドを利用した実験などにも利用しています。 |