デジタルアンプとデジタルスピーカ 5

サウンドコラム 音とオーディオの四方山 vol.47
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音とオーディオの四方山

デジタルスピーカの特徴 1

デジタルアンプとデジタルスピーカ 5
47

このコラムは無料メールマガジン「アメニティ&サウンド音と快適の空間へ」vol.12〜vol.64(2002年8/15〜2004年11/18)に音響システムの関連コラムとして連載していたものを編集掲載したものです。

デジタルアンプの特徴
スピーカーユニットとデジタル信号イメージ

デジタルアンプとデジタルスピーカについての話題を続けます。

これまでデジタルアンプの特徴として次のような特徴について述べました。これらの特徴から、さらに「省スペースで小型化できる」という利点も生じます。

  • 効率が良く省電力
  • 発熱が少ない
  • シンプルな構成
  • 経路での雑音が出力に影響しない(しにくい)
  • クロスオーバ歪みが発生しない

デジタル・オーディオという言葉が使われるようになって久しいわけですが、アンプ、スピーカと中央部分から音を発するスピーカまでアナログで記録メディアと一部の伝送経路のみデジタル化されただけに近いものでしたが、デジタルアンプは、パワーアンプの時点までをフルデジタルに変えます。

以前は、高速スイッチングすることによる雑音の問題を解決することが技術的に難しく、結果、D級アンプは音質もD級というような印象が強かったわけですが、前回述べたように原理的な部分においてはクロスオーバー歪みや効率など利点が生かせるため、現在ではむしろ、ハイエンド製品ほどハイファイのデジタルアンプを目指すというような動向になっているといえます。

デジタルスピーカ

さて、ここでデジタルスピーカに視点を移します。

デジタルスピーカは、デジタルといってもスピーカの空気の振動に変換する部分は同じです。スピーカ内部にデジタルアンプを内蔵していてデジタル信号入力を受けるアクティブ・スピーカです。

デジタルスピーカの中にも、アンプはアナログのものもありますが今後はデジタルアンプを内蔵しているものが一般的になるでしょう。 呼称も「デジタルスピーカ」と呼ばれたり「デジタルアンプ内蔵型スピーカ」と呼ばれる場合などデジタルアンプに比較すると決定的ではありません。

アクティブスピーカーのイメージ
コンシューマの事情

従来のアクティブスピーカのポジションにある製品がデジタルスピーカ化してゆくということは確かでしょうが、家庭で利用する場合には電源をスピーカそれぞれで確保しなければいけなくなりますから (あるいは専用のアンプから信号線と一緒に供給するなど)、コンシューマ製品として、普及するかというと疑問ではあります。

家庭用の場合には、伝送路も短いですから耐ノイズ性やケーブルの問題は深刻な問題ではありません。

デジタルスピーカのアンプ以外の利点としては

  • 伝送路での耐ノイズ性能が高い
  • ケーブル敷設工事が簡単
  • DSPなどで調整機能をスピーカで実現
  • インテリジェント化可能
周波数特性図イメージ

というメリットが考えられます。

耐ノイズ性能は特に述べるまでもないでしょう。

ただし、エラー・リカバリができないほどのデータ欠損が発生するような場合には、他のデジタル機器、CDなどと同様、音声が完全に欠損する状態にもなります。

伝送路や電源の敷設工事

商業施設などにおいては、長距離の伝送路にケーブルを敷設する必要が生じるためケーブルがシンプルになることなど大きな利点ともなります。

配管やケーブル本数、サイズ、重量などデジタルにすることで音質以外のケーブルというファクターで大きなメリットが存在します。 この場合も電源は必要になりますから、設備の性質によるということになりますが……

先進国では、法律面などの問題もありますから、どちらかというと新興国で新規に工事を行う場合にフルデジタルを実施しやすく、メリットが生じやすいかもしれません。

次回はデジタルスピーカの特徴について続けたいと思います。

サウンドコラム 音響とオーディオの四方山

音響システムやオーディオ、AVに関連した雑記

「アメニティ&サウンド音と快適の空間へ」 vol.12〜vol.64に 音響システムの関連コラムとして連載していたものを編集掲載したものです。

サウンドコラム 音とオーディオの四方山

サウンドコラム 音響とAV,オーディオの四方山vol.41〜50

50コーデックキラー
音声圧縮エンコードとノイズ
49自衛隊の大砲を使ったコンサート
チャイコフスキー序曲「1812年」
48デジタルアンプとデジタルスピーカ 6
デジタルスピーカの特徴 2
47デジタルアンプとデジタルスピーカ 5
デジタルスピーカの特徴 1
46デジタルアンプとデジタルスピーカ 4
特徴 3 - 効率、発熱、クロスオーバー
45デジタルアンプとデジタルスピーカ 3
特徴 2 - パワーアンプと伝送
44デジタルアンプとデジタルスピーカ 2
デジタルアンプの特徴 1 - シンプルな構成
43デジタルアンプとデジタルスピーカ 1
D級アンプと消費電力
42プレーヤーとメディアのハイブリッド化
BD / HD DVD / DualDisk
413D音響システムとスピーカ・アレイ
Iosono(アイオソノ)とサラウンド

サウンドコラム 音響とAV,オーディオの四方山vol.31〜40

40音効とCGスペクタクル映画
映画の音響効果とリアリティ
39開発者の音作りと発想
デジタルの音作りと哲学
38海の音響技術 後編
海洋音響トモグラフィー/深層海流の計測
37海の音響技術 中編
音響チャンネル(SOFAR) 音響哨戒網
36海の音響技術 前編
海洋の音響技術ソナーと低周波ソナー
35チェンバロにタンチョウヅルの羽根
サウンドコラム 35
34VoiceXML 2.0勧告案公開
サウンドコラム 34
33騒音性難聴の防止薬品
サウンドコラム 33
32闇と静寂
サウンドコラム 32
31Inter BEE 2003 とHD放送
SD、HD、テレビ解像度

サウンドコラム 音響とAV,オーディオの四方山vol.21〜30

音響冷却方式と水冷式 / 魔法の杖と音声認識の確率(自動音場調整AVアンプのレビュー) / 過去と周期と予想 / 音の記憶 / 録音テープの「肉声」 / 米国のCD市場の変化とCCCD / 音質?デザイン? / 機械の音のリアクション / 3D音響のトラッキング付き配信(ヘッドホンの立体音響, ヘッドトラッキング) / 地上デジタルTV 開始とInter BEE

サウンドコラム 音響とAV,オーディオの四方山vol.11〜20

CDを再生できないCDプレーヤー CCCD(Copy Control CD) / 音質は確実に落ちている? / 手軽に音響測定 / アカデミー音響賞、音響効果賞 / デジタルTVの双方向性 / テクノロジーと本質の視点( デジタル・オーディオは高音質か? ) / PCMはCDと同じ? / デジタルアンプの時代( デジタルアンプのコンシューマ化 ) / オーディオ機器への音楽配信 / 家庭の音場補正

サウンドコラム 音響とAV,オーディオの四方山vol.01〜10

デジタルオーディオと記録 DVD製造者認識コード(Disc ID) / CD誤り訂正と音質、ピット、誤り訂正 / CDリッピングで音質向上? / パソコンのサウンド機能 / 人間の耳−最も優れた音のセンサー(精密測定用マイク, カクテルパーティー効果) / パソコンの静音設計とノイズ / ホームAVサーバー / TV放送の音声と帯域 / パソコンVS家電 - データ交換 / DVDの評価表現「劇場上映時と」

サウンドコラム 音響関連イメージ

サウンドコラム 音響測定編

音響測定、音圧レベル分布、伝送周波数特性

「アメニティ&サウンド 音と快適の空間へ」のvol.1〜10に連載していた 音圧レベル分布と伝送周波数特性に関連したコラムをサウンド コラムのページに編集して掲載しました。

サウンドコラム 音響測定編

サウンドコラム 音響測定編 音圧分布

音圧レベル(SPL)、オクターブバンド、dB、ノイズ

サウンドコラム 音響測定編 周波数特性

周波数、基音と倍音、無響室、フラット再生

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Inter BEE 2014 参考出品の報告 - 幕張メッセ 2014年11月19日(水)〜21日(金)

放送用音声比較装置 ABE-2100Cを国際放送機器展に参考出展しました。 ご来場ありがとうございました。

Inter BEE 2014(国際放送機器展) 放送用音声比較装置 ABE-2100C (Sound Comparator) 参考出展の報告

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