このコラムは無料メールマガジン「アメニティ&サウンド音と快適の空間へ」 vol.12〜vol.64(2002年8/15〜2004年11/18)に音響システムの関連コラムとして連載していたものを編集掲載したものです。
先月(2004年11月掲載時)「コーデックキラー」という言葉をはじめて知りました。
音楽をエンコードした時、何らかの音声品質が劣る部分が出来てしまうタイプの音源のことをコーデックキラーと呼ぶようです。
▼オンライン音楽サービスの前に立ちはだかる「コーデックキラー」問題
CNet Japan News ネットとメディア 2004/10/25
http://japan.cnet.com/news/media/story/0,2000047715,20075354,00.htm
コーデック(CODEC)というのは圧縮/復元(COmpress/DECompress)するものやコード変換/復元(COrder/DEcorder)するソフトウェアや装置のことです。
音楽配信で使われているmp3やMDなどのデジタル音楽データは圧縮してサイズを軽減するため聴感上原音との差異が少なくなるような冗長な部分を間引きしてデータ変換されています。
通常、音声コーデックの圧縮は、マスキング(他の音で良く聞き取れない信号)される周波数帯域を間引くことでデータを単純化しているような処理がなされますが、 コーデックキラーはこの圧縮処理を行うと不正なノイズや音と認識されるようなデータになってしまう音源を指しています。
「オンライン音楽サービスの前に立ちはだかる……」という表現がされていますので全くコード化できないということかと勘違いしそうですが、音質に問題があるため商品性の問題として「前に立ちはだかる……」ということのようです。
映像を考えてみると、DVDや地上デジタルなどの圧縮された映像にはブロックノイズやモスキートノイズなどの劣化が見られる場合も珍しくはありませんが、 ブロックノイズが出やすくなる音楽コンサートのソフトなどを「コーデックキラー」とまでは言わないと思います。
映像の場合には、フィルムグレインのように好ましいとされるノイズもありますし(オーディオだとホワイトノイズ系に相当?)、地上デジタル放送などを見ると、アニメーションなどでデジタル化によってマッハバンドが生じていたり、 くっきりとした静止画のようにならないようにフィルムグレインのようなノイズ分をわざわざ載せられている場合もありますから、商品映像と音声に対するノイズの考え方は異なるということでしょう。
聴覚は視覚に比べると非常にシビアであることは確かですが、全ての人が音楽では劣化が全く許されないということも無いでしょうから、コストパフォーマンスなどサービスの種類によるのでしょうね。
具体的なコーデックキラーは紹介されていないので、どのようにして「プレエコー」などの問題が発生しているか、どの程度の劣化になっているのかが解りませんが、仮に音質が良いという点をセールスにしているような配信をする場合には深刻な問題となるかもしれません。
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「アメニティ&サウンド音と快適の空間へ」 vol.12〜vol.64に 音響システムの関連コラムとして連載していたものを編集掲載したものです。
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