デジタルアンプとデジタルスピーカ 1

サウンドコラム 音とオーディオの四方山 vol.43
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音響技術とソフトウェア、ハードウェア開発

音響と開発 : Sound & Development
株式会社エーアールアイ / ARI
ARI CO.,LTD.
音とオーディオの四方山

D級アンプと消費電力

デジタルアンプとデジタルスピーカ 1
43

このコラムは無料メールマガジン「アメニティ&サウンド音と快適の空間へ」 vol.12〜vol.64(2002年8/15〜2004年11/18)に音響システムの関連コラムとして連載していたものを編集掲載したものです。

D級アンプ

今月(2004年9月掲載時)のEDN Japanのdesign featureは「D級アンプが第3世代に突入」という記事でした(EDNは電子産業エンジニア向けの雑誌です)。 EDNの記事は開発者が対象なので、半導体やモジュールなどについての記事です。

  ▼EDN Japan 最新号(2004年9月号)目次
    「D級アンプが第3世代に突入」のリンク先掲載されています。
    http://www.ednjapan.com/content/issue/index.html

一般向けには、あまりD級アンプという呼称を使わなくなりつつあるように思います。A級、B級、AB級に対してD級というと品質ランクで相当劣るクラスのように誤解されるからでしょう。

デジタルアンプのコンシューマ化

このコラムでも今までにデジタルアンプ(D級アンプ)のAV家電の搭載の話題を何回かしていますが、この1、2年でAVアンプのハイエンド商品でもデジタルアンプが採用され、コンシューマ向け商品のパワーアンプはデジタル化が主流になって来ています。

デジタルアンプは、電力の損失が少なく小型化できる点に特徴があります。MDウォークマンやMP3プレーヤーなど携帯機器のバッテリー時間を伸ばすための製品や、薄型TVなど省スペースの筐体にアンプを収める必要があるAV製品などを中心に搭載されています。

今回から数回、デジタルアンプとデジタルスピーカ、信号処理などについて少し集中して続けたいと思います。

省エネルギーとスペースファクター

TVなどはスペースファクターの他に省電力化設計のためにもデジタルアンプにする必要があるのだろうと思います。

最近のデジタルアンプ搭載と薄型TVに関する記事ではもっぱら省スペースが語られますが、省エネ法の民生特定機器に「テレビジョン受信機」は含まれていますから、消費電力、待機電力を節電する必要があります。

  ▼経済産業省 資源エネルギー庁
    http://www.enecho.meti.go.jp/

  ▼財団法人省エネルギーセンター
    http://www.eccj.or.jp/

ここ数年(2004年9月掲載時)、発電所の事故やCO2排出削減など、新エネルギー問題と省エネルギーが注目される機会がありますが、資源エネルギー庁の施策の影響がAV機器のデジタルアンプ化にも影響しているかもしれません。

現在の特定機器の区分では、プラズマテレビ、液晶テレビ、DVDレコーダー、HDDレコーダーなどは対象外なのですが、対象に追加することが検討されています(経済産業省のホームページの「政策を深く調べる」「審議会・研究会」のページにある「資料5 省エネルギー基準に係る進捗及び今後の予定(案)」というPDFで発表されています。大量の文章があるので見つけるのは大変ですが……)

  ▼経済産業省
    http://www.meti.go.jp/

DVDレコーダーのカタログを見ると消費電力の注意書きなどで「VTRの省エネ法に定める計算式による待機消費電力……」などと記載されていますが、対象外なので、適用のためというわけではなく算出条件を合わせるためということですね。

AVアンプ

最近、デジタルアンプを搭載した高級AVアンプが相次いで発売されています。

AVアンプの場合には、高出力のパワーアンプを多チャンネル搭載しているので、消費電力やスペース(筐体サイズ)も大きめですが、筐体サイズは、背面の接続端子が支配的ですから省エネやスペースよりも、フルデジタル化のためにデジタルアンプが採用されています。

スピーカはアナログなので、アンプの出力はアナログですが、入力から最終出力段のパワーアンプ部までをデジタルのままにすることが可能になりますから、デジタル信号を生かしたハイファイ化ということも可能になります。

  アナ     デジ     デジ     アナ
  ログ┏━━━┓タル┏━━━┓タル┏━━━┓ログ┏━━━┓
  −→┃A/D┃−→┃DSP┃−→┃D/A┃−→┃アンプ┃→
    ┗━━━┛  ┗━━━┛  ┗━━━┛  ┗━━━┛
  デジ  ↑
  タル┏━━━┓ ←ここを     ←−− ここを −−→
  −→┃D/A┃  直接DSPに    デジタルアンプに
    ┗━━━┛

以前は、デジタル入力をプリアンプでD/A変換してアナログ信号を他の入力とスイッチしたり増幅するというような方法が取られていることが多かったわけですが、最終出力段をデジタルアンプにするとデジタルの入力信号をそのまま扱うことができ、デジタルのメリットを最大限生かすことができる可能性があります。

  • A/D、D/A変換のブロックはメーカーや製品によって様々です。

サウンドコラム 音響とオーディオの四方山

音響システムやオーディオ、AVに関連した雑記

「アメニティ&サウンド音と快適の空間へ」 vol.12〜vol.64に 音響システムの関連コラムとして連載していたものを編集掲載したものです。

サウンドコラム 音とオーディオの四方山

サウンドコラム 音響とAV,オーディオの四方山vol.41〜50

50コーデックキラー
音声圧縮エンコードとノイズ
49自衛隊の大砲を使ったコンサート
チャイコフスキー序曲「1812年」
48デジタルアンプとデジタルスピーカ 6
デジタルスピーカの特徴 2
47デジタルアンプとデジタルスピーカ 5
デジタルスピーカの特徴 1
46デジタルアンプとデジタルスピーカ 4
特徴 3 - 効率、発熱、クロスオーバー
45デジタルアンプとデジタルスピーカ 3
特徴 2 - パワーアンプと伝送
44デジタルアンプとデジタルスピーカ 2
デジタルアンプの特徴 1 - シンプルな構成
43デジタルアンプとデジタルスピーカ 1
D級アンプと消費電力
42プレーヤーとメディアのハイブリッド化
BD / HD DVD / DualDisk
413D音響システムとスピーカ・アレイ
Iosono(アイオソノ)とサラウンド

サウンドコラム 音響とAV,オーディオの四方山vol.31〜40

40音効とCGスペクタクル映画
映画の音響効果とリアリティ
39開発者の音作りと発想
デジタルの音作りと哲学
38海の音響技術 後編
海洋音響トモグラフィー/深層海流の計測
37海の音響技術 中編
音響チャンネル(SOFAR) 音響哨戒網
36海の音響技術 前編
海洋の音響技術ソナーと低周波ソナー
35チェンバロにタンチョウヅルの羽根
サウンドコラム 35
34VoiceXML 2.0勧告案公開
サウンドコラム 34
33騒音性難聴の防止薬品
サウンドコラム 33
32闇と静寂
サウンドコラム 32
31Inter BEE 2003 とHD放送
SD、HD、テレビ解像度

サウンドコラム 音響とAV,オーディオの四方山vol.21〜30

音響冷却方式と水冷式 / 魔法の杖と音声認識の確率(自動音場調整AVアンプのレビュー) / 過去と周期と予想 / 音の記憶 / 録音テープの「肉声」 / 米国のCD市場の変化とCCCD / 音質?デザイン? / 機械の音のリアクション / 3D音響のトラッキング付き配信(ヘッドホンの立体音響, ヘッドトラッキング) / 地上デジタルTV 開始とInter BEE

サウンドコラム 音響とAV,オーディオの四方山vol.11〜20

CDを再生できないCDプレーヤー CCCD(Copy Control CD) / 音質は確実に落ちている? / 手軽に音響測定 / アカデミー音響賞、音響効果賞 / デジタルTVの双方向性 / テクノロジーと本質の視点( デジタル・オーディオは高音質か? ) / PCMはCDと同じ? / デジタルアンプの時代( デジタルアンプのコンシューマ化 ) / オーディオ機器への音楽配信 / 家庭の音場補正

サウンドコラム 音響とAV,オーディオの四方山vol.01〜10

デジタルオーディオと記録 DVD製造者認識コード(Disc ID) / CD誤り訂正と音質、ピット、誤り訂正 / CDリッピングで音質向上? / パソコンのサウンド機能 / 人間の耳−最も優れた音のセンサー(精密測定用マイク, カクテルパーティー効果) / パソコンの静音設計とノイズ / ホームAVサーバー / TV放送の音声と帯域 / パソコンVS家電 - データ交換 / DVDの評価表現「劇場上映時と」

サウンドコラム 音響関連イメージ

サウンドコラム 音響測定編

音響測定、音圧レベル分布、伝送周波数特性

「アメニティ&サウンド 音と快適の空間へ」のvol.1〜10に連載していた 音圧レベル分布と伝送周波数特性に関連したコラムをサウンド コラムのページに編集して掲載しました。

サウンドコラム 音響測定編

サウンドコラム 音響測定編 音圧分布

音圧レベル(SPL)、オクターブバンド、dB、ノイズ

サウンドコラム 音響測定編 周波数特性

周波数、基音と倍音、無響室、フラット再生

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Inter BEE 2014 参考出品の報告 - 幕張メッセ 2014年11月19日(水)〜21日(金)

放送用音声比較装置 ABE-2100Cを国際放送機器展に参考出展しました。 ご来場ありがとうございました。

Inter BEE 2014(国際放送機器展) 放送用音声比較装置 ABE-2100C (Sound Comparator) 参考出展の報告

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