専門ドメインの基礎範囲 2

技術開発コラム:技術・開発の閑話-2- vol.08
音響技術と開発 技術開発コラム
DSPボード/基板設計パターン image 映像と振動信号の製作イメージ 無響室 - 音響実験/測定、音響解析 image アナログ回路とオーディ信号処理 イメージ 音声信号波形とデジタルストレージ image

音響技術とソフトウェア、ハードウェア開発

音響と開発 : Sound & Development
株式会社エーアールアイ / ARI
ARI CO.,LTD.
技術・開発の閑話

高度な統合化による構造変化

専門ドメインの基礎範囲 2
08

このコラムは無料メールマガジン「アメニティ&サウンド音と快適の空間へ」 vol.36〜vol.64(2003年8/21〜2004年11/18)に音響と開発の関連コラムとして連載していたものを編集掲載したものです。

前回は、専門性による分業やその境界線というあたりに関して、最も典型的な水平分業モデル、垂直分業モデルというような視点で考えてみました。

全体の技術の情報化、高度化が進むに従って各専門範囲が拡大される傾向があり、ソフトウェアについては、水平とも垂直とも言えないような分業モデルや産業的な構造となっているような気がします。

高度な統合化

身近なところで、もう少し具体的に考えてみます。

例えば、OSの専門範囲、分業構造とはどのようになっているかと考えてみますと、エンドユーザーにアピールできるようにするためのマルチメディア系のプレーヤー機能をOSの標準機能の一部となっていたり、各種のドライバはGUIの設定や付加機能を持つアプリケーション・レベルに匹敵するドライバとなっています。

マルチメディア系の記録や再生時の協調動作を整える役割はOSの役割ですが、実際に再生するためのプレーヤーはアプリケーションの1つのサンプルとなります。

実際に、メディアプレーヤーやQuickTimeは1サンプル例ともいえなくはないのですが、動画の再生機構のためのOSサービスを十分な状態にすると、OSの機能が高度で統合された実装にする必要が生じるため、結果、再生ボタンをつければプレーヤーになる所まで含めることになります。

マルチメディア系の協調動作の環境を実現させるためには音声、動画コーデック、グラフィックス、タイマ制御、タスクスケジューリングなどを統合的に扱うことになるため、その統合された最上位のレベルは、ほぼ、アプリケーション自身と同程度の能力を持ち、結果的に、アプリケーションまでの範囲を含めたかのような状態になります。

  ▼コーデック e-Words IT用語辞典
    http://e-words.jp/w/E382B3E383BCE38387E38383E382AF-2.html

これは、ペイントブラシなどの簡易な画像エディタやインターネットブラウザ、メーラーなども同じような構造が見られるかと思います。

インターネット・エクスプローラーの機能の内、どこまでがOSの基本能力で、どこからがグラフィックス、どこからがアプリケーションかというと、その境界線は、マイクロソフト社主張のように全てOSの基本機能であるというのも、現在のウィンドウズの構造では、商業上の方便とは言い切れない状態になっています。

EUで問題になったメディアプレーヤーのバンドル問題もしかりです。メディアプレーヤーの最上位のアプリケーションを取り去ってもコア機能を残すのであれば、エクスプローラだけで再生まで実行することができる部分までOSの一部とされていますから、あまり根本的な違いがないかもしれません。

  ▼マイクロソフト、EUとの土壇場の交渉が決裂--独禁法訴訟で和解不成立
    http://japan.cnet.com/news/biz/story/0,2000050156,20064966,00.htm

このようなOSとアプリケーションの話に関して言えば、コーデック、音声ドライバ、グラフィックス・ドライバなど、個々の部分は各社の製品や技術が組み合わされていますが、そのメーカは、半導体メーカーであったり(OEMや別の企業が作っていることが多いかもしれませんが)アプリケーション系のメーカーだったり、ハードメーカーだったりと、部品とアセンブリ、最終製品という構造や、製作と販売といった構造とは少し異なります。

統合化による分業の変化

さらに、その構造を決定する要因は、個々の製品というより、半導体(CPUやチップセット)やOSによって決定付けられているという点が特徴的です。

チップセット内に内蔵される機能は、半導体メーカーのドライバーやOSによって機能させる必要が生じるため、個々の機能のソフトウェアパーツの専門メーカーという図式は生じにくいことになります(OEMをしている場合がありますが、ハードウェアでコア部分を実現してしまう場合、ドライバは簡単なものでかまわなくなりますから)

統計ソフトを利用するスタンスによる専門性のコラムをきっかけにソフトウェア技術者の専門性とは、というようなことを考えてきました。

ソフトのことはソフト屋に?……

「XXのことはXX屋に訊け」という表現がありますが、「ソフトのことはソフト屋に……」とは行きません。

自動車のファームウェアを作っている人に、携帯電話の技術を訊いても専門外だといわれるでしょう。

ソフトウェアの場合には、ソフトウェアは手段でしかない場合が多いので何屋かと問われればソフト屋だと答えるかもしれませんが、本当は、自動車屋さんや携帯電話屋さんであって、専門はそれぞれの分野ということになるのではないかと思います。

開発ソフトやOSなどの知識や技術を必要とするため、ある程度道具や方法に対する知識が多い分野ですが、大工さんが大工道具の知識があるのと同様にソフトの知識はあるものの、その専門というわけではない場合が多いかと思います。

他の分野に比較して応用される対象が拡大してきていますからソフトが専門というより、応用分野の専門の中のソフト担当という見方が主であっても良いのではないかと思いますが、上記で話題に挙げました経済産業省のITスキル・スタンダード(ITSS)のような分類が職業分類として指標が作られています。

長い不況の中、再び技術立国日本を見直そうとか、もの作りの原点に返るなどの言葉も使われましたが、現在の物作りの重要な位置を占めるようになったソフトウェアに関しても「もの作り」のように専門的、職人的専門性を目指すのであれば、ソフトウェア工学的な分類や業種体系の分類指標よりも、応用技術のスキルや専門性を中心とした視点が重要になるのではないかと思います。

ソフトウェアの専門性をある程度以上必要とするのは言うまでもありませんが、自動車のファームウェアを開発する人は自動車屋であってソフト屋ではない発想や視点が必要なのではないでしょうか。

開発実績と事例 ソフトウェア・ファームウェア
CPU/DSP

ARIはハードウェア設計、製造、ファームウェア開発、 Windowsアプリケーションの開発をしています。 実績等に興味をお持ちいただけましたら、会社情報に主な開発実績を 「音響と開発」のコーナーには事例など関連情報を掲載していますのでご覧ください。

技術・開発の閑話 -2-

ソフト、ハードウェア 技術関連の雑記

このコラムは無料メールマガジン「アメニティ&サウンド 音と快適の空間へ」 vol.36〜vol.64(2003年8/21〜2004年11/18)に 音響と開発の関連コラムとして連載していたものを編集掲載したものです。

技術・開発の閑話 -2- :技術開発コラム

技術・開発の閑話-2- vol.11〜20

20F1とコンピュータ技術 後編
技術・開発の閑話-2-
19F1とコンピュータ技術 前編
技術・開発の閑話-2-
18ソフトウェアの標準と部品化 8
標準と生産管理
17ソフトウェアの標準と部品化 7
遺産と再生産
16ソフトウェアの標準と部品化 6
重要な課題
15ソフトウェアの標準と部品化 5
リファクタリング
14ソフトウェアの標準と部品化 4
アジャイル開発
13ソフトウェアの標準と部品化 3
新開発ツールと再生産
12ソフトウェアの標準と部品化 2
戦術と戦略の誤解
11ソフトウェアの標準と部品化 1
技術・開発の閑話-2-

技術・開発の閑話-2- vol.01〜10

10NHK技研公開 2004
超高精細映像システム
09Googleローカルファイル検索へ
技術・開発の閑話-2-
08専門ドメインの基礎範囲 2
高度な統合化による構造変化
07専門ドメインの基礎範囲 1
技術・開発の閑話-2-
06Prescottリリース
技術・開発の閑話-2-
05NDAと情報公開
技術・開発の閑話-2-
04エラーとコスト
ゼロ除算/ブルースクリーン /XP
03リアルタイムとベストエフォート
技術・開発の閑話-2-
02HDD容量の差
天使の分け前(Angels' share)
01「ありえない」
フェイルセーフと安全機能の連鎖

ソフトウェア開発コラム : 技術・開発の閑話

ソフトウェア開発と開発ツール関連の雑記

機器組込みのエンベデット・ソフトウェア(ファームウェア)の開発に関連したコラムです。 メールマガジン「アメニティ&サウンド 音と快適の空間へ」に連載していた技術・開発コラムを編集掲載しています。

技術・開発の閑話 :ソフト開発コラム

技術・開発の閑話 : ソフト開発コラム

ファームウェア開発(組込み)の技術 /
デバッギング・ミステリー

開発ツールの話 : ソフト開発コラム

ソフトウェアの分類 /
CPUとDSPのアーキテクチャの違い

プロジェクト初期 ツール評価 : ソフト開発ツールの話

プロジェクト初期のツール評価 / プログラムの動作・ソースの作成 / コード生成 アセンブラ、コンパイラ / 型変換を伴う式評価(コード生成) / 暗黙のライブラリ(コンパイラ生成コード) / 組込みCPUのメモリアクセス / コード生成〜デバッガ

デバッガとICE ツール評価2 : ソフト開発ツールの話

CPU,DSPの内部の状態モニター / プロセッサ周辺のモニター(メモリ、I/O) / 実行の停止(ブレーク) / シングルステップ実行 / 任意部分の実行 / ヒストリー - 実行トレースとコマンド / 各種ファイルのロード、セーブ / シンボル化

≪ 技術・開発の閑話 :技術・開発コラム ≫
3GPP対応 携帯電話開発用音響測定システム
TS 26.131/ 26.132 V5.0に準拠、ITU-T P.50とP501の試験信号、Windows Vista、Windows XP 3GPP対応 携帯電話開発用オーディオアナライザー MTA-02WB-S

《 高度な統合化による構造変化 - 専門ドメインの基礎範囲 2 :技術・開発の閑話-2- vol.08 》

株式会社エーアールアイ/ARI CO.,LTD.
東京都八王子市横山町6丁目9番 丸多屋ビル8F
tel:042-656-2771 fax:042-656-2654

ARIはアナログ、デジタル音響機器の ハードウェア開発ソフトウェア開発、 製品、受託開発を行なっています。試作、研究開発や特注機器などのソフト、ハード、システムの設計から製造までご相談いただけます。

エーアールアイ会社情報
製品情報と販売
音響と開発・サービス
音響機器メーカーと代理店

ご利用案内 | 免責事項 | ARI 音響と開発のサイトマップ | 株式会社エーアールアイ | 東京都八王子市横山町6丁目9番 丸多屋ビル8F

Copyright(c) 2001-2017 ARI Co.,Ltd. all rights reserved.