伝送周波数特性 まとめ

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サウンドコラム 音響測定編

伝送周波数特性測定 まとめ

伝送周波数特性の測定 5/5(最終回)
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このコラムは無料メールマガジン「アメニティ&サウンド音と快適の空間へ」 vol.1〜vol.10(2002年3/7〜7/18)に音響測定の関連コラムとして連載していたvol.10の音響測定のコラムを編集掲載したものです。

今回は、伝送周波数特性の最終回として、簡単にまとめたいと思います。

ピンクノイズで測定

第2回の伝送周波数特性の測定2でお話した通り、伝送周波数特性は、受音点での(ホールやスタジアムの客席など)周波数の違いによる音圧レベルの変化を示す特性です。 客席などの受音点で、スペクトルアナライザで周波数特性を測定します。 信号は、ピンクノイズを使い、1/3オクターブバンド(可聴帯域20Hz〜20KHzを1/3オクターブづつに分けて)、30帯域の周波数ごとのレベルを測定します。

ピンクノイズオクターブバンドで見ると、エネルギーが均一でフラット(平坦)な特性をしています(ピンクノイズは、ホワイトノイズを3db/octのLPF(ローパスフィルタ)に通したものです)。 オクターブバンドごとの音量(エネルギー量)が均一なため、評価するのに都合がよいので、ピンクノイズを利用しています。

キーワードとバックナンバー

いくつかキーワードが連続しました。いままで、各キーワードに関連したコラムを掲載したバックナンバーがありますので、ご紹介します(用語説明ではありません)

測定結果の評価

さて、測定ができたら、設計や要件にあった音響特性となっているかを評価します。この評価は建物(室)がどのような目的を持っているかによって変わります。 これは、周波数特性に限ったことではなく、全ての音響特性の評価に当てはまります。

施設の目的に応じた特性評価

音響的な特性として(周波数に限らず)判りやすく考えてみます。例えば、体育館やスタジアムを考えてみましょう。 体育館がもし、デット(残響が少ない)な空間だったら、観客の声援は、廻らず、スポーツ選手の発する、打撃音などが響きません(バレーボールがビーチバレーのような音になり、アタックを打っても、ダン!という音が響きません)。 ですから、スタジアムや体育館などは、ある程度以上ライブ(残響が多め)な空間になっていなければなりません。

ところが、同じ空間で、講演会を行なえば、話者の話が反響して、少し聴きにくく明瞭度が低下します。それならば、人の声の周波数帯域のレベルを上げておいたらどうでしょう直接音の音量で勝負です。

この空間で音楽を流せば、中音域のレベルが大きく残響が多すぎる散々な結果となるでしょう...

結婚式や葬儀会場の日本式と教会式の場合を考えても残響など、音響特性が同じ条件が好ましいとは限らないことが容易に想像できます。(僧侶の読経が教会のように反響するのは多分望まれないでしょう...)

評価と調整

可変残響版などがある多目的ホールなどの施設は別として、極端に考えれば、音響的なサービス内容(目的)が異なるため、評価する場合には、音響サービスまで含めて考えなければ、正しい評価はできません。 当然、好ましい音響特性に調整することもできないでしょう。

音響測定の目的は、音響特性を評価するためのデータ収集と、結果を利用した補正、調整にあります。 ただ測定しただけでは、なにも起こりませんから、正しく測定すること以上に、評価と調整が重要になります。

10回にわたって音圧分布と周波数特性の音響測定についてお届けしました。 11回以降は、音響測定に限らず、音響関連のコラムとしてメールマガジンでの連載を継続しています。

音響測定編

音圧レベル分布、伝送周波数特性

「アメニティ&サウンド 音と快適の空間へ」のvol.1〜10に連載していた 音圧レベル分布と伝送周波数特性に関連したコラムをサウンドコラムのページに編集して掲載しました。

サウンド コラム 音響測定編

サウンドコラム 音響測定編 音圧分布

01音圧レベル分布の測定1
測定のご紹介 / 音圧レベル(SPL)とは
02音圧レベル分布の測定2
測定の作業、方法/dBデジベルとは
03音圧レベル分布の測定3
測定に使用する信号 / ノイズ
04音圧レベル分布の測定4
オクターブと周波数 / 音階名
05音圧レベル分布の測定 最終回
測定 / オクターブバンドノイズ

サウンドコラム 音響測定編 周波数特性

06伝送周波数特性の測定1
基音と倍音 / 周波数/オクターブ
07伝送周波数特性の測定2
伝送経路と対象 / 無響室
08伝送周波数特性の測定3
測定1 / スペクトルアナライザー
09伝送周波数特性の測定4
測定2 / フラット再生
10伝送周波数特性の測定 最終回
まとめ / キーワードとバックナンバー

サウンドコラム 音とオーディオの四方山

音響システムやオーディオ、AVに関連した雑記

「アメニティ&サウンド音と快適の空間へ」 vol.12〜vol.64に 音響システムの関連コラムとして連載していたものを編集掲載したものです。

サウンドコラム 音とオーディオの四方山

サウンドコラム 音響とAV,オーディオの四方山vol.41〜50

50コーデックキラー
音声圧縮エンコードとノイズ
49自衛隊の大砲を使ったコンサート
チャイコフスキー序曲「1812年」
48デジタルアンプとデジタルスピーカ 6
デジタルスピーカの特徴 2
47デジタルアンプとデジタルスピーカ 5
デジタルスピーカの特徴 1
46デジタルアンプとデジタルスピーカ 4
特徴 3 - 効率、発熱、クロスオーバー
45デジタルアンプとデジタルスピーカ 3
特徴 2 - パワーアンプと伝送
44デジタルアンプとデジタルスピーカ 2
デジタルアンプの特徴 1 - シンプルな構成
43デジタルアンプとデジタルスピーカ 1
D級アンプと消費電力
42プレーヤーとメディアのハイブリッド化
BD / HD DVD / DualDisk
413D音響システムとスピーカ・アレイ
Iosono(アイオソノ)とサラウンド

サウンドコラム 音響とAV,オーディオの四方山vol.31〜40

InterBEE2003とHD放送(SD,HD,テレビ解像度) / 闇と静寂 / 騒音性難聴の防止薬品 / チェンバロにタンチョウヅルの羽根 / 海の音響技術(低周波ソナー LFAS, SOFAR, SOSUS, 音響トモグラフィー, 深層海流の温度計測) / 開発者の音作りと発想(デジタルの音作りと哲学) / 音効とCGスペクタクル映画(映画の音響効果とリアリティ)

サウンドコラム 音響とAV,オーディオの四方山vol.21〜30

音響冷却方式と水冷式 / 魔法の杖と音声認識の確率(自動音場調整AVアンプのレビュー) / 過去と周期と予想 / 音の記憶 / 録音テープの「肉声」 / 米国のCD市場の変化とCCCD / 音質?デザイン? / 機械の音のリアクション / 3D音響のトラッキング付き配信(ヘッドホンの立体音響, ヘッドトラッキング) / 地上デジタルTV 開始とInter BEE

サウンドコラム 音響とAV,オーディオの四方山vol.11〜20

CDを再生できないCDプレーヤー CCCD(Copy Control CD) / 音質は確実に落ちている? / 手軽に音響測定 / アカデミー音響賞、音響効果賞 / デジタルTVの双方向性 / テクノロジーと本質の視点( デジタル・オーディオは高音質か? ) / PCMはCDと同じ? / デジタルアンプの時代( デジタルアンプのコンシューマ化 ) / オーディオ機器への音楽配信 / 家庭の音場補正

サウンドコラム 音響とAV,オーディオの四方山vol.01〜10

デジタルオーディオと記録 DVD製造者認識コード(Disc ID) / CD誤り訂正と音質、ピット、誤り訂正 / CDリッピングで音質向上? / パソコンのサウンド機能 / 人間の耳−最も優れた音のセンサー(精密測定用マイク, カクテルパーティー効果) / パソコンの静音設計とノイズ / ホームAVサーバー / TV放送の音声と帯域 / パソコンVS家電 - データ交換 / DVDの評価表現「劇場上映時と」

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《 伝送周波数特性 最終回【サウンドコラム 音響測定編】 》

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