このコラムは無料メールマガジン「アメニティ&サウンド音と快適の空間へ」 vol.12〜vol.64(2002年8/15〜2004年11/18)に音響システムの関連コラムとして連載していたものを編集掲載したものです。
音響に関するメールマガジンやホームページを運営しているために、ホームページやB2Bサイト経由など、ご利用いただいているユーザーの方から、音響に関連した色々なご質問をいただくことがあります。
ARIは音響測定に関連した業務をいくつか行なっていますので、音響測定や音響に関するお問合せやご質問があります。
いただいたご質問の中には、回答するのになかなか悩ましいものや、ごく一般的、基礎的な内容に関するものなど様々ですが...。
オーディオなどを趣味に持っていらっしゃる方から、ご自身で、音響測定を簡単に手軽にできる機器はないかというご質問をいただいたことがあります。
このようなご質問は、素直で回答するのが簡単なようにみえますが、実は回答は非常に悩ましいものです。
「簡単」「手軽」「趣味=アマチュア」という条件は、分野を問わず非常に条件が厳しいように思います。
この件では、オーディオマニアの方などに質問されずにARIにお問合せいただいていることから察するに、それほどお詳しい方ではないと類推されます。
あまりお詳しい方ではない方にとって、簡単、手軽にということは、「廉価に」もセットで考えること、機器の入手も簡単であるということも含まれていると考えられますので、海外でのみ販売されている機器があっても代理店がなければ対象外ですし、音響測定器は「廉価」ではありませんから、専用の測定器も対象外です(高くても良いのであれば測定器メーカーの騒音計などを問合せられるでしょうし)。
騒音を測定したい場合、例えば、騒音被害を受けられているなどであれば、騒音測定を自治体関係で行なってもらえる可能性もあるかと思いますが、オーディオルームの測定は無理でしょうから、騒音計を借用することや測定してもらうことは期待できません(貸し出ししているかもしれませんが)。
そのように考えると、一般のパソコンのサウンドボードを使ってソフトウェアで解析、測定するしかないのですが...。
ご存知のようにパソコンのマイク入力や音響性能は高くないものがほとんどです。
音響性能の良いサウンドボードも市販されていますが、プロユースを狙ったような製品になります。
さらに、測定に利用できるマイクが必要です。
カラオケマイクなどを利用するわけには行きません。
マイクは、録音マニアなどの方でなければ、オーディオでは測定のためだけにしか利用されないと思いますので、レンタルか...ということになります。
騒音計やスペクトルアナライザなど、ご存知たど思いますので、レンタルするおつもりもないでしょうし、まして購入は...。
あたりまえですが、音響に限らず、何かを測定する機器は、測定対象より優れた特性の機器でなければなりません。
オーディオであれば、お持ちのオーディオ機器より音響特性が優れた機器で集音し、解析、評価しなければなりません。
性能が良い機器というのは大抵の場合に高価になります。
測定を正確に行うために校正なども的確になされていなければなりません。
傾向的に、微細な部分まで測定できる機器は、精密さから機構的な強度が無いピックアップやマイク、検針器などを含んでいる可能性が濃厚で、取扱いをラフにできないものが多いかと思います。
測定機器に限らず、専門性が高い機器は、知識がある人が使うことを前提として作られていることが多く、使用条件として知識が暗黙の内に存在しています(専門外の方に向けた説明書が付属しません)。
八方塞がりでご期待に答えるような回答は難しそうですが、ご質問の回答に「ありません」「知りません」と返信するわけにも行きませんので回答は悩ましいですね (^^;
音響システムやオーディオ、AVに関連した雑記
「アメニティ&サウンド音と快適の空間へ」 vol.12〜vol.64に 音響システムの関連コラムとして連載していたものを編集掲載したものです。
音響測定、音圧レベル分布、伝送周波数特性
「アメニティ&サウンド 音と快適の空間へ」のvol.1〜10に連載していた 音圧レベル分布と伝送周波数特性に関連したコラムをサウンド コラムのページに編集して掲載しました。
サウンドコラム 音響測定編 音圧分布音圧レベル(SPL)、オクターブバンド、dB、ノイズ |
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