一般的にソフトウェア・プログラマブルのDSPユニットは、入出力のアサイン設定やコンプレッサ、イコライザなどの信号処理機能の設定をソフトウェアで行うことができます。 ソフトウェアでの変更でハードウェアを変えることなしに、思い通りの機能を実現できるという点が最大の特徴です。
ダイアグラムは、信号経路や、信号処理部などの機能を表した図です。
ソフトウェア・プログラマブルのDSPユニットは、ダイアグラム図を書くことによって機能をフレキシブルに設定することができます。
インプットチャンネルのアサイン、DSPユニット内部の信号のミックスなどAD〜DA間のすべての設定は、ソフトウェアで自由にプログラミングができますから、DSPユニットの機能を使用目的に合わせて多様に変化させることができます。
DSPユニットには、ディレイ、コンプレッサ、イコライザなどのエフェクターや、ミキサー その他の機能が備わっています。 機能は、コンポーネントと呼ばれるシンボルで表され、画面上に配置することができます。
コンポーネントの中には、操作性の向上や理解を補助する目的の仮想的な機能を表しているものがあります。 DSPユニット側では、仮想的な機能を実現するための工夫がされていており、オペレーターは、ハードウェアの事情を考えなくとも編集ができるようになっています。
DSP内部のシグナルフローは、CADソフトでダイアグラムを作成するように 線を引いて編集することができますから、配置したコンポーネントどうしを線で結ぶことによって、DSPユニット全体の機能構成を編集することができます。
従来の音響システム(DSPユニットを用いない)と比較して大きな違いは、機器の持つ機能を無駄なく生かせることです。 スタジアムなどの大規模な音響システムでは、スピーカごとに出力系の信号処理部、出力制御部やアンプを設けます。 スピーカは放送エリアごとにグルーピングされますので、機器を収納するラックは、メンテナンス性を向上させる点やシステムを把握しやすくする点を考慮して、放送エリアごとに設置する設計をします。
出力信号処理用のプロセッサ・ユニットは、傾向として2入力2出力か2入力4出力のものがほとんどですから、ドライブするスピーカの構成とグルーピングの仕方によっては、チャンネルが余る場合があります。 設計する側もなるべく無駄の無いように行いますが、ラック単位で見るとそれぞれのラックにパワーアンプやプロセッサ・ユニットの余りチャンネルができてしまうケースを見ることがあります(予備のチャンネルとして設計することになります)。
DSPユニットを用いてシステムを設計した場合、出力信号処理部のプロセッサはDSPユニット内に内包していますから、スピーカのグルーピングやラックの収納などによる制約が無くなり、結果として無駄の無いシステムを構築できることになります。
マイク入力用の信号処理部に関しても同様のメリットがある場合があります。 通常マイク入力には、コンプレッサ、イコライザなどの信号処理部を設けます。 行うイベントなどによって使用するマイクの種類や本数が異なるからといって、常時使うとは限らないプロセッサ・ユニットを常時準備するような設計はコストの面から見ても許されません。
DSPユニットを用いた設計では、全ての系統に信号処理部を通るようプログラムしておくことができます。 他の系統で信号処理部を使用する状況が発生した場合は、プログラム内容を変更して対処すれば良いだけになります。 当然変更によるハードウェアの増減はありません。
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