フラット再生、ワイドバンド、ナローバンド

アメニティ&サウンド 音と快適の空間へ vol.9
音響と技術 メールマガジン
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音響技術とソフトウェア、ハードウェア開発

音響と開発 : Sound & Development
株式会社エーアールアイ / ARI
ARI CO.,LTD.
アメニティ&サウンド 音と快適の空間へ

フラット再生、ワイドバンド、ナローバンド

09

メールマガジン「アメニティ サウンド 音と快適の空間へ」は、現在、休刊中です。 バックナンバーのコラムの内、サウンドコラムと技術開発コラムは、 サウンド、技術開発コラム に再編集、一部加筆修正して掲載していますので併せてご利用ください。

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■ アメニティ&サウンド 音と快適の空間へ【Vol.9】2002年7月4日
□    フラット再生、ワイドバンド、ナローバンド
□    http://www.ari-web.com/
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□はじめての方へ、
このメールマガジンのご登録をいただきましてありがとうございます。
「アメニティ&サウンド 音と快適の空間へ」は、隔週(第1、第3木曜日)
にお届けしています。内容を充実できるようにがんばりますので、末永く
お付き合いいただけますようお願い申し上げます。

 ■□■□■  CONTENTS Vol.9 □□□□□□□□□□□□□□□□□

  1.開発ツールの話(3)
    CPUとDSPのアーキテクチャの違い
  2.サウンド 音響測定(9)
    周波数特性(4)
  3.3GPP音声通信(4) 送話ラウドネスレイト
    ナローバンド ワイドバンド 
  4.着メロの音量、IPv6(URLクリッピング)

………………………………………………………………………………………
■1.開発ツールの話(3)CPUとDSPのアーキテクチャの違い
………………………………………………………………………………………
 パソコン用のソフトウェア開発に興味がある方には、DSPは無縁とお
 考えの方がいらっしゃるかも知れませんが、Windows用などでポピュ
 ラーなIntel Pentium3/4などのプロセッサも、SIMD命令など、プロセ
 ッサのアーキテクチャの理解が重要となる部分があります。
 
 ▼Intelのホームページ
 http://www.intel.co.jp/

 リアルタイム制御では、いうまでもありませんが、パソコンのソフト
 ウェアでプログラム・コードをオプティマイズ(最適化)する場合で
 もプロセッサのアーキテクチャや特性を理解して方針を決めなければ
 なりません。特に最近のPentium4など高速化され、キャッシュ・メ
 モリーの支配力が強いプロセッサでは、その特徴を理解するのに、プ
 ロセッサのアーキテクチャを理解することが、高速化などのアルゴリ
 ズムを考える上でのキーポイントとなります。

 さて、CPUとDSPの違いですが、大雑把には「データ専用バス」
 を持つアーキテクチャを取るものがDSP、それ以外のプロセッサ
 がCPUと考えても差し支えないかと思いますが、実際には、DSP
 やCPUの製品によって、それぞれ特徴があり、必ずしも、バスによ
 って分類するのが正しいとはいえないかもしれません。
 
 プロセッサ製造メーカーがDSPといえばDSPで、CPUといえば
 CPUということになるかもしれません(それを言っては... )。

 DSPはその名の通り、デジタル信号処理(離散的に符号化された音
 声や画像、データアクイジョンによって収集されたデータなどを計算
 する処理)に適したプロセッサであれば良いですから、データバスが
 コードバスと共通でも信号処理用プロセッサとなりえます。ですが…
 DSPといえば、先に述べたようにデータバスが専用になっていて高
 速なデータスループットを持つものになっています。

 コンパイラなどの開発ツールを評価する場合、CPUでもDSPでも
 プロセッサの特徴を生かすコーディングができるかを念頭において、
 開発作業を実際に始める前に評価して採用、補助ツールの作成、ライ
 ブラリ評価、標準的なコーディング方法の決定を行ないます。

 開発する機器で必要とされる(開発段階で見込んでいる)プロセッサ
 の性能を引き出すために必要となるコーディング技術をコンパイラや、
 アセンブラでどのように実装するのがベストかを開発ツールの評価を
 通して検討します。ユニークなアーキテクチャのプロセッサや、最適
 なコーディングをした時に飛びぬけて良好な性能発揮するプロセッサ
 の場合には、機器開発プロジェクトの運命を左右する作業となります。
 
  ▼ARIは、デジタル機器のハードウェア、ファームウェアの開発をお手
   伝いしています。
  http://www.ari-web.com/develop/index.htm

 次回は、アーキテクチャや特徴とツール評価の関連についての続きを
 お話したいと思いますので、よろしくお付き合いください。
 (今回は、専門用語を多様した割に注記なしでスミマセン。分量的に
 注記をはさむことができませんでしたので、事項以降に1つづつ取り
 上げることができるようにしたいと思います。)

………………………………………………………………………………………
■2.サウンド 音響測定(9)-周波数特性(4)  
………………………………………………………………………………………
 この連載は、音響業務関連として音響測定や音に関する内容をお届け
 しています。前回までの内容をご希望の方がいらっしゃいましたら、
 バックナンバーをホームページに掲載していますのでご覧ください。

  ▼バックナンバー(ページ左側のメニューで選択してください)
  http://www.ari-web.com/mm/

 前回に引き続き、スペクトルアナライザーを使用した伝送周波数特
 性の測定についてです。

 伝送周波数特性の測定は、測定ポイントでスペクトルアナライザー
 を利用して測定ポイントの周波数特性を測定し、ホールやスタジア
 ムなどの客席に音響特性としてサービスができているかという評価
 の指針にするためのものです。

 さて、以前に、周波数特性による音色のお話をしました。ホールな
 ど音響サービスを重視する商用施設では当然、周波数特性は、音楽
 や演劇などの音響サービスの品質が重要となるため、周波数特性が
 好ましい(原音を伝えるという視点ではフラットにより近い特性)
 ことになります。必ずしもフラットに近い特性が好ましいという評
 価を受けるわけではありませんが、特定の周波数にピークが存在し
 ている場合に問題になることは当然あります。
 
    …… フラット再生 ……………………………………………
     当然、ご存知の方が多いのですが、一応、フラット再
     生について...

     フラット再生とは、周波数特性をグラフで見たとき、
     全ての周波数で均一に再生されていると、音量レベル
     グラフが平坦な図になるため、フラット(平坦)と呼
     ばれます。

     もし、音源が、完全な状態で、フラットに再生されて
     いるとすると、周波数特性の観点では、リスナーは、
     原音が理想的に再生された状態になるため「原音再生」
     という言葉でも、類似した音響特性のことを語られる
     ことがあるかと思います(原音再生とフラットは指標
     が完全に同一ではないことに注意が必要です)。

     ローファイ音楽が心地よかったり、欧州の有名なオペ
     ラハウスが必ずしもフラットに近い特性ではないよう
     に音楽を楽しむ場としてフラットな音場とは限りませ
     ん。判りやすい評価指標であることは間違いありませ
     んが...
    ………………………………………………………………………
 
 残響(エコー)など周波数特性などまで総合した特性が人が感じる音
 響空間の良し悪しになります。人は、これまでの経験や生理的な快
 適感などから、音響空間の好ましさを感じていますから、直接音を
 主とした測定での特性が、必ずしも音響空間の特性として周波数特
 性の絶対的な評価にはなりません。

 無響室を思い出すまでもありませんが、無響室では、少なくとも、
 適切にスピーカを配置することでかなり理想的な直接音の周波数特
 性の再生音場が作り出せると思いますが、決して、心地よい空間に
 はなりえないことは容易に想像ができます。

 次回は、伝送周波数特性についての最終回として、評価についてと
 まとめをお届けしたいと思います。次回も、よろしくお付き合いく
 ださい。それでは...(^^)

 ▼音響関連のサービス情報については、ARIホームページをご覧く
  ださい。
 http://www.ari-web.com/sound/

………………………………………………………………………………………
■3.3GPP音声通信(4) 送話ラウドネスレイト
   ナローバンド ワイドバンド
………………………………………………………………………………………
 前回は、音声測定項目を項目のみご紹介しましたので、今回と次回
 は簡単に、それぞれが、3Gの通話の音響特性をして、どのような
 内容を求められているかをご紹介します。

 ▼前回までの内容は、ホームページのバックナンバーをご覧ください。
 http://www.ari-web.com/mm/

 ■1.Sending loudness rating(送話ラウドネスレイト)
 Sending Loudness rating(以下SLR)は、送話(送信)の音響性能
 です。

 通話する相手に送信する音声は大きすぎると歪んだり、小さすぎる
 と聞きとりにくくなってしまいますので、携帯電話などの端末は、
 適切な音量で送信する必要があります。発声した音声の音量が端末
 を通して、適度な音量で伝送されているかを評価する評価方法を規
 定したのがSLRの測定規定です。

 測定には低域から高域までの成分を含んだ、会話類似信号(Speech
 like test signal)を使用します。会話類似信号は、信号処理技術
 によって計算で作成された音声信号です。周波数変調(FM)、AM
 変調して作り出した音声信号を、標準的な会話音声に見立てて適用
 することにより、定量的な測定、評価、規格化を可能にしています。

    …… ナローバンドとワイドバンド ……………………………
     音響測定でも周波数特性を取り上げていますので、特性
     について少し...

     一般的にナローバンドとはISDNなど128kbps
     以下の速度を持つ低速な通信回線のことを指しており、
     ワイドバンドはCATV、xDSLなど500kbps
     を超えるナローバンドに対してより高速な通信回線のこ
     とを指して使われています。

     移動体通信(3GPP)の音声規格では通信速度とは別に
     ナロー/ワイドの定義付けがされており、8kHzでサ
     ンプリングされた音声信号をナローバンド、16KHz
     でサンプリングされた信号をワイドバンドと呼んでいま
     す。
       (サンプリングについては次回に...)

     ナローバンドでは音声の再生帯域が4kHzまで、ワイ
     ドバンドが8kHzまでとなりワイドバンドの方が伝送
     される音声が高域まで再生されるのでよりクリアな音質
     であると言えます。

     現在、発売されているFOMAなどの携帯電話の音声方
     式はナローバンド方式を利用したもので、本来の高品位
     なワイドバンドは使用されていません。
    ………………………………………………………………………

 実際に人が話して測定したのでは、音量の内容も、音声の性質も、
 定量化、規格化するのに適した会話音声を定義したり、評価するの
 が難しいので、音声コーデックなどの影響も考慮して定義された、
 人口の、いわば、シンセサイザーの音です。

 この会話類似信号というのがユニークで、聴いてみると本当に会話
 類似か?と思うような音声信号です。

 ご存知のように現在の携帯電話は(特に日本の)、非常にコンパク
 トになっていますので、発声した音声を集音してるマイクは、口か
 ら発した音を直接受けるというよりは、実際には、鼻の横辺りで集
 音しているような携帯端末が沢山あります。そのような条件でも、
 適切に通話することができなければ、コミュニケーションツールと
 して不適切ですから、この規定が策定されています。

 エー・アール・アイは3GPP音響測定に対応した「3G携帯通信
 開発用音響測定システム MTA−01WB」を開発・発売してい
 ます。
 ▼MTA−01WB製品情報
 http://www.ari-web.com/mobile/index.htm

………………………………………………………………………………………
■4.着メロの音量、IPv6(URLクリッピング)
………………………………………………………………………………………
 WEB参照可能なニュースや掲載記事から毎日伝えられるニュースや記
 事から気になる情報や、翌日には埋もれてしまいそうな記事をピック
 アップしてご紹介しています(このメールマガジンの発行周期が隔週
 ということもあって新しい記事ばかりではありません)。
 
 504iとCDMA2000の春、夏の新製品で携帯電話関連のニュースなどが
 にぎわっています。製品レビューや新製品紹介記事などが多い中、少
 し面白い着眼点だと思ったのが、次にご紹介する着メロの音量の比較
 記事です。着メロについては、和音数やFM音源とPCM音源、メロデ
 ィ用のメモリなどについての、着メロの演奏能力についての記事が多
 いように思いますが、この記事では、着メロが伝える本来の着信知ら
 せの音量がどれだけかという点に着目されているのがユニークです。

 ▼ケータイ技術研究所 2 着メロが最も大きい端末を探す
  ZD Net JAPAN Mobile:News 2002年6月26日
 http://www.zdnet.co.jp/mobile/0206/26/n_oto.html

 IPv6の最新トレンドや将来の予想などについてキーマンへのインタビ
 ュー記事を@IT(アットマーク・アイティ)で連載されていますが、
 第4回には、東京大学大学院 情報理工学系研究科 助教授 江崎 浩氏
 のインタビューで「IPv6の第1の波は2002年末に来るでしょう」などと
 語られているインタビュー記事が掲載されています。

 ▼「キーマンに訊くIPv6の過去、現在、未来 IPv6 Trend Review」
  @IT(アットマーク・アイティ)
 http://www.atmarkit.co.jp/fnetwork/interview/ipv6-04/esaki01.html
 ▼@IT(アットマーク・アイティ)
 http://www.atmarkit.co.jp/

 Vol.7 「IEEE1394はFireWireに」で取り上げた、FireWireとUSBです
 が、その後、6月21日のZD Net Newsの記事に、USBとFireWireに関連
 する記事が掲載されていましたのでご紹介します。

 ▼「USB対FireWire、高速バージョン登場で競争激化」
  ZD Net JAPAN News 2002年6月21日
 http://www.zdnet.co.jp/news/0206/21/ne00_usb.html

………………………………………………………………………………………
■編集後記
 現在、このメールマガジンでは、連載コラムが3つもあるため、あま
 りバラエティのある内容をお送りすることが難しいのですが、創刊当
 初お送りしていたような雑多なコラムもできればよいとは考えていま
 す。

 まだ、掲載方法などは検討中ですが、量的な増加をしないで隔回で連
 載コラムと交互に掲載するなどで、実現できればと考えています。

 それでは、次回7月18日に
                         ARI A&S 編集部

【配信】……………………………………………………………………………
 このメールマガジンは、次のメール配信サービスによって発行
  されています。

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