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■ アメニティ&サウンド 音と快適の空間へ【Vol.13】2002年9月5日
□ MD生誕10周年記念、CD誤り訂正と音質
□
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□はじめての方へ、
このメールマガジンのご登録をいただきましてありがとうございます。
「アメニティ&サウンド 音と快適の空間へ」は、隔週(第1、第3木曜日)
にお届けしています。内容を充実できるようにがんばりますので、末永く
お付き合いいただけますようお願い申し上げます。
■□■□■ CONTENTS Vol.13 □□□□□□□□□□□□□□□□□
1.開発ツールの話(7)コンパイラ生成コードの評価
(1)型変換を伴う式評価
2.サウンド (13) デジタルオーディオと記録(後編)
CD誤り訂正と音質
3.3GPP音声通信(7)
受話感度周波数特性
Receiving sensitivity/frequency characteristics
4.MD生誕10周年記念(URLクリッピング)
………………………………………………………………………………………
■1.開発ツールの話(7)コンパイラ生成コードの評価
………………………………………………………………………………………
前回は、コンパイラの生成コードに関連して主にアセンブラ言語に
ついて簡単なお話をしました。今回は、コンパイラのコード生成の
評価について具体的にどのような評価をしているかなど簡単にご紹
介して見たいと思います。
▼前回までの内容は、バックナンバーをご覧ください。
http://www.ari-web.com/mm/index.htm
(1)型変換を伴う式評価
ANSIで決められているCコンパイラの評価の中で、組込などでは、
影響が大きいものにchar型(文字のデータ型)の評価方法がありま
す。
基本的にANSI規格に準拠というコンパイラであれば、整数型で演算
評価されます。整数型は、16bit以上の語長と規定されていますので、
char型が8bit語調のデータ型である場合、一旦、整数に型変換してか
ら評価式が評価されます。
例えば、Cコンパイラの場合、次のようなソースコードの場合です。
(ソフトウェア技術者ではない方にはスミマセン。)
char c; 変数cの定義
...
if ( c == 0 ) ... 変数cがゼロかを比較
このソースコードでは、cという変数はchar型の変数ですから、ゼロ
であるかを評価するためには、8bitの変数cを16bit以上の整数に変換
してから評価されるのが、ANSI規格に沿った式評価の方式になりま
す。(もし、32bit整数を標準とする32bitのCPUの場合、8bitの整数
を32bitに変換する必要があります。
そこで、このようなソースコードを作成して、実際にコンパイラに
コードを生成させて、整数への変換が行なわれてから評価されるの
か、それとも、8bitのまま処理することで、効率的なコードを優先
的に生成するのかを調べます(オプティマイズを有効、無効を切り
替えたり生成関連のオプションでの変化も調べます)。
CPUやDSPの組込コードの生成では、正しく評価できるのであれば、
厳密にANSIに従うよりも、効率や生成コードサイズを優先させてほ
しいですから、コンパイラがこのような型変換を行なう部分を正し
く処理されるかと、効率的なコード生成をさせることが可能かとい
う2つの視点で評価します。
類似した評価として、演算を行なって代入(記憶)する場合がありま
す。次のようなソースコードです。
char c1,c2;
...
c1 = c1 + 1; インクリメント(増加)はどうか
c2 = c1+2; 変数(結果)に定数を加算
この場合には、実際に演算しますので、その場合の評価はどのよう
にされるか、演算結果がそのまま次の処理でも利用できる場合には、
効率的な処理を行なうか、単純な±1の場合には特殊なコードで効
率化されるかなど、数種類のソースコードで結果を見ながら、コン
パイラの生成コードの特徴を調べたり評価を行ないます。
具体的に説明しようとすると、なかなか平易に説明できなくて申し
訳ありません。次回も似たような評価の具体的な内容の続きです。
(スミマセン)それでは、次回もよろしくお付き合いください(^^)。
▼ARIは、デジタル機器のハードウェア、ファームウェアの開発を
お手伝いしています。
http://www.ari-web.com/develop/index.htm
………………………………………………………………………………………
■2.サウンド(13) デジタルオーディオと記録(後編)
CD誤り訂正と音質
………………………………………………………………………………………
このコラムは、音や音響についてのコラムをお届けしています。
今回は、デジタルオーディオと記録メディアについての後編です。
▼前回の内容は、バックナンバーをご覧ください。
http://www.ari-web.com/mm/bn/20020815.htm
CDのピットというデータを記録面に生成している孔の形状や長さ、ド
ライブの検出方法などによって、誤り訂正の発生頻度が変化し、誤り
訂正が機能するので100%正常なデータが再生されていても、アナ
ログの音質には違いが出るとメーカーの方が共通に仰っているという
ところまで前回お話しました。
そこで、誤り訂正されてデジタルデータとしては100%正常な信号
が出力されても、アナログ信号に違いがでるのは何故かという大変興
味深い問題があります。
……… ピット、誤り訂正 ……………………………………
CDは盤面にレーザー光線を照射して盤面に反射された光
をピックアップで検出してデジタル信号を再生している
ことは、よくご存知かと思います。
ピットは、盤面の模様のように見える部分の極小の穴のこ
とです。ピットの穴はレーザーを反射しないので、この穴
の大きさ(長さ)を検出することで記録されたデータが再
生されます。
誤り訂正は、盤面の傷や何らかの理由によって、ピットの
大きさやデジタル値を正しく検出できなかった場合にデジ
タル的に、前後のデータや、あらかじめ埋め込まれた補助
データによって正しいデータを算出して復元する技術です。
キズなどで、補正不能に陥る場合もありますが、ご存知の
ように大変優れた訂正能力を有しています。
………………………………………………………………………
光の記録読み取りで、誤りが検出されると、誤り訂正の回路、サーボ
モーターコントロールが作動し、ドライブの消費する電流に変動が発
生します。電源の負荷が変動するため、D/Aコンバーターや以降のア
ナログ信号部の電子回路に影響が出て結果として、再生信号の品位が
低下するということらしいです。
これが、CDプレーヤー、CD、CD-Rドライブのアナログ性能としての
差になっているということです。
CDドライブのメーカーさんが仰っている内容も、マスター制作スタジ
オの方が仰っている内容も、おおよそ共通していますから、専門家の
方々での認識は共通していると判断して良いかと思います。
ピットの形状など、誤り訂正が発生する頻度を減少することで、ドラ
イブやCDマスターがプレイヤーで再生した時のアナログ性能を向上す
るようにしているとのことです。
デジタル記録のCDやDVDなどのドライブを選択する時、正確にデジタ
ル再生できるため、アナログ部分の性能や機能、デザインだけではな
く、誤り訂正まで含めたトータルな音声や映像の出力性能を評価する
という視点が必要となります。
メーカーさんでは、パターン信号などによって工学的に性能評価する
ことはできますが、ユーザーは、多分、アナログ・Hi-Fiオーディオの
評価に近い官能的な評価方法でしか評価できないのではないでしょう
か。もっとも、ハイエンドのシビアな音質を重視した場合だけの話に
なるかと思いますが...
今回は、前後編でCDの誤り訂正の部分と音質について、少しだけ書
いてみました。詳細にすると毎回これだけになってしましますので、
またの機会に...。
それでは、次回もよろしくお付き合いください。(^^)
………………………………………………………………………………………
■3.3GPP音声通信(7) 受話感度周波数特性
………………………………………………………………………………………
さて、前回は送話感度周波数特性のお話ををさせていただきました。
今回は音声通信の第7回、受話感度周波数特性です。
▼前回までの内容はホームページのバックナンバーをご覧ください。
http://www.ari-web.com/mm/
■4.受話感度周波数特性
Receiving sensitivity/frequency characteristics
携帯電話で相手から受信する音声にバラツキ(例えば、低域だけ大き
かったり、特定の成分のみが強調されているなど)があると、通話の
音質は著しく悪化します。受話感度周波数特性とは受話方向の音響特
性のことで、携帯電話で受信した音声の周波数分布が低域から高域ま
でバランスよく伝送されているかを評価する測定項目です。
受話感度周波数特性試験は送話試験同様、マスクカーブと呼ばれる規
格枠の範囲内に、実際に測定した周波数の分布が収まるかどうかを判
定します。測定には、低域から高域までの成分を含んだ、会話類似信
号(Speechlike test signal)を使用します。
▼マスクカーブはVol.12で少し紹介しました。
http://www.ari-web.com/mm/bn/20020815.htm
ここで少し、受話感度周波数特性の実際の測定環境のお話をします。
ハンドセット端末の試験にはダミーヘッドを使用します。ダミー
ヘッドの耳たぶの部分に、人が受話器を耳に当てるのと同じ様に端
末をセットします。この状態で受話器から出力される音声を人工耳
の内部にあるマイクロホンで測定します。ちなみに、ダミーヘッド
に端末をセットする場合、どの程度の圧力で耳に当てるかというと
ころまで規定されています。
…… 人工耳とERP(イー・アール・ピー) ………………
ダミーヘッドの人工耳の内部には、ちょうど人間の耳の
鼓膜に相当する位置にマイクロホンが取り付けられてい
ます。このマイクロホンの取り付けられている位置は
ERP(Ear Reference Pointの略)
と呼ばれ、受話方向の試験で受話器からの音声を聴取す
る基準ポイントとして規定されています。
▼ダミーヘッドはVol.7で少し紹介しました
http://www.ari-web.com/mm/bn/20020606.htm
………………………………………………………………………
規格の話にもどります。被試験端末の音響特性は、端末で受信した
音声の周波数分布をリファレンス値とし、受話器から出力される音
声をダミーヘッドの耳の中にセットされたマイクロホンで測定した
周波数分布との比によって求められます。つまり、端末で受信した
音声と実際に耳で聞いている音の差で評価する様に規定されている
のです。
エー・アール・アイは3GPP(+GSM,PDC)音響測定に対応し
た「3G携帯通信開発用音響測定システム MTA−01WB」を
開発・発売しています。
▼製品情報 MTA-01WB-S(3G、GSM、PDC対応)
http://www.ari-web.com/mobile/3g/mta01-wbs/info-3gpp.htm
▼MTA−01WB(従来機能3G対応)製品情報
http://www.ari-web.com/mobile/index.htm
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■4.MD生誕10周年記念(URLクリッピング)
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WEB参照可能なニュースや掲載記事から毎日伝えられるニュースや記
事から気になる情報や、翌日には埋もれてしまいそうな記事をピック
アップしてご紹介しています(このメールマガジンの発行周期が隔週
ということもあって新しい記事ばかりではありません)。
ソニーがMD生誕10周年のパーティと、10周年記念モデルのポータ
ブルMDプレーヤーを11月に発売するそうです。
▼ソニー、MD生誕10周年記念パーティーを開催
インプレスAVウォッチ 2002年9月2日
http://www.watch.impress.co.jp/av/docs/20020902/sony.htm
ソニーは自己メディア戦略による成功というのはいまさら言うまでも、
ありませんが、CD,MDと非常に成功したわけですが、昨今のDVDや
メモリースティックについては今までとは様相が異なるような気もし
ます。
MD、CDを成功に収める仮定やDVDの普及などの際に、メディア13
年交代説を主張していたソニーですが、MDは10年になりましたので
アナログLP、CD、MDなどと同様であれば、MDはあと3年で交代期を
迎えるということでしょうか?
▼MD10周年記念モデル4機種(MZ-E10、MZ-N10、LAM-Z10、LAM-10)
発売 : ソニー・プレスリリース
http://www.sony.jp/CorporateCruise/Press/200209/02-0902/
フライ食品のおいしさの評価に、人が噛む「破砕音」を音響解析する
ことで「食品のおいしさ(サクミ度)」を評価する実験結果を日清製油
が発表したたそうです(「咀嚼力」も含まれます)。
日清製油は前年の第48回大会でも同様の音響解析の発表をしています。
CMなどで使用されている音効のはでな「破砕音」も、やはり、おいし
い音なのでしょうか?
▼「音響解析及び圧力解析による食品のサクミ度評価」
日本食品科学工学会第49回大会で発表。
日清製油ニュースリリース 2002年9月2日
http://www.nisshin-seiyu.co.jp/news/h14/9233_1030523857.html
………………………………………………………………………………………
■編集後記
9月に入り、日もずいぶん短くなって来ました。次回は、9月19日
発行ですが、秋分の日も間近なころです。
秋分の日で思い出しましたが(でも、原典は失念しましたスミマセン)、
何かの本で、小学校の理科の教科書の夏至の日の太陽を観察するとい
うページがあるが、夏至の日は、6月なので梅雨のせいで雨が降って
いることが多く、教科書にかかれているようには観察できないという
ことが指摘されているのを見たことがあります。
この記事は、フィールドワークが必要だというような主旨のコラムで
した。
自分の専門分野においても、予想や、推定したことが、予想外の要因
によって推定の間違いが判ることがあります。そんな時、自分の知識
と予測のいたらなさを感じ、反省しています。
文献などで調べた場合などでも、実際に自分で確認できる内容につい
ては、確認すべきだと強く認識させられたことを、四節の時期が来る
度に思い出します。
それでは、次回9月19日Vol.14も、よろしくお願いします。
ARI A&S 編集部
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