パソコン VS 家電 - データ交換

アメニティ&サウンド 音と快適の空間へ vol.20
音響と技術 メールマガジン
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音響技術とソフトウェア、ハードウェア開発

音響と開発 : Sound & Development
株式会社エーアールアイ / ARI
ARI CO.,LTD.
アメニティ&サウンド 音と快適の空間へ

パソコン VS 家電 - データ交換

20

メールマガジン「アメニティ サウンド 音と快適の空間へ」は、現在、休刊中です。 バックナンバーのコラムの内、サウンドコラムと技術開発コラムは、 サウンド、技術開発コラム に再編集、一部加筆修正して掲載していますので併せてご利用ください。

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■ アメニティ&サウンド 音と快適の空間へ【Vol.20】2002年12月19日
□    パソコン VS 家電 - データ交換
□    http://www.ari-web.com/
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□はじめての方へ、
このメールマガジンのご登録をいただきましてありがとうございます。
「アメニティ&サウンド 音と快適の空間へ」は、隔週(第1、第3木曜日)
にお届けしています。内容を充実できるようにがんばりますので、末永く
お付き合いいただけますようお願い申し上げます。

 ■□■□■ CONTENTS Vol.20 □□□□□□□□□□□□□□□□□

  1.開発ツールの話(14)
    デバッガ、ICE (1)
  2.サウンド(20)
    パソコン VS 家電 - データ交換
  3.3GPP音声通信(14)
    側音特性 Sidetone Characteristics
  4.3G、モバイルIP電話(URLクリッピング)

………………………………………………………………………………………
■1.開発ツールの話 デバッガ、ICE (1)
………………………………………………………………………………………
 前回は番外でしたが、今回はデバッガやICEなどについての話題に戻
 ります。デバッガについての概略から始めます。

 ■デバッガ
 ソフトウェアのデバッグには、デバッガ(Debugger)と総称されるデバ
 ッグ用のソフトウェア・ツールを用います。

 デバッガは、モニター、エミュレータ−、トレーサーなどの機能の組
 み合わせやタイプによって形態や機能は異なりますが、おおよそ、次
 のような機能を持っています。

  ・CPU、DSPの内部の状態(レジスタ、フラグなど)モニター
  ・プロセッサ周辺のモニター(メモリ、I/Oなど)
  ・実行の停止(ブレーク、指定場所、条件付きブレーク)
  ・1ステップ実行(ソースコード、実行コードでの1行実行)
  ・任意部分の実行(および再実行)
  ・ヒストリー(各種モニター情報の来歴記録)
  ・各種ファイルのロード、セーブ
  ・シンボル化(シンボル情報の読み込み、設定、編集)

  ▼@IT (アットマークIT) Insider's Computer Dictionary
  デバッグ (debug)
  http://www.atmarkit.co.jp/icd/root/11/5787411.html
  ブレークポイント (breakpoint)
  http://www.atmarkit.co.jp/icd/root/08/5787408.html

 他にも多数のデバッグのための機能が提供されている場合があります
 が、一般的な機能としてはこのような所ではないでしょうか。

 ■CPU、DSPの内部の状態(レジスタ、フラグなど)モニター

 プロセッサの内部レジスタ、フラグなどの状態、実行アドレスなど、
 停止状態のCPUの状態をモニター表示する機能です。(動作中もリアル
 タイム表示する機能のものもあります。レジスタなどはほとんど役に
 立ちませんが、特定の状態フラグなどではリアルタイム表示も役に立
 つ場合もあります)

  ▼@IT (アットマークIT) Insider's Computer Dictionary
  レジスタ (register)
  http://www.atmarkit.co.jp/icd/root/11/5787411.html

 以前、レジスタを複数のセットを持ち切り替えながら動作するCPUで
 レジスタが主となる以外のバンクに切り替わっている状態で停止する
 と表示内容が正しくなく、その状態のまま操作すると誤動作するデバ
 ッガを使ったことがあります。

 このようなデバッグ環境は結構きついですね (^^;。

 ■プロセッサ周辺のモニター(メモリ、I/Oなど)

 メモリの内容やI/Oポート他、ワンチップマイコンなどでは、多数の
 周辺I/O機能をワンチップにしているため、これらの状態をモニター
 することができます(ワンチップでも、できないデバッガもあります
 状況証拠から推理小説のように類推してデバッグするしかない場合
 があります)。

 メモリは、シンボリック・デバッガ、ソースレベル・デバッガの場
 合には、デバッグ情報を利用して、変数名などで参照したり、編集
 することが可能です。

 現在は、ソースレベルのデバッガが大勢となってきましたが、以前は、
 シンボリック・デバッグ(名前を利用)もサポートされていないのが、
 専用のワンチップマイコンなどでは珍しくありませんでした。

 次回は来年になりますが、続きをお送りします。それでは、次回も
 よろしくお付き合いください (^^)。

  ▼ARIは、デジタル機器のハードウェア、ファームウェアの開発を
   お手伝いしています。
  http://www.ari-web.com/develop/index.htm

………………………………………………………………………………………
■2.サウンド(20) パソコンVS家電 - データ交換
………………………………………………………………………………………
 このコラムは、音や音響についての話題をお届けしています。

 今から、約1年前マイクロソフト社がエンターテインメント向けにカ
 スタマイズしたWindows XP(コード名Freestyle)を発表していました。

  ▼CNET JAPAN Enterprise News 2002年1月8日
   『Windows XP』がリビングルームに進出
  http://japan.cnet.com/Enterprise/News/2002/Item/
      020108-7.html?il

 そして、コムデックス・フォール2002が開催された11月には、日本か
 らは撤退してしまったゲートウェイがMedia Center(Freestyle)搭載
 パソコンを発表するなど、1年間、コンピュータ各社とも、リビング
 ルーム進出に以前意欲的な状態が継続しています。

  ▼CNET JAPAN Enterprise News 2002年11月17日
   ゲートウェイなどが『Media Center』パソコンを発売へ
  http://japan.cnet.com/News/2002/Item/021119-1.html?rn

 AV家電の機能を起点に、パソコンを家電ネットワークのハブにしよう
 という動きは、デルコンピュータやコンパックなどのメジャーブラン
 ドメーカーが積極的に取り組んできていましたが、今の所、成功とは
 いえない状況に見えます。

 今年、夏以降、インテルはフィリップスと共同でデジタル家電設計部
 門を立ち上げたり、携帯ビデオプレーヤーの設計支援など家電方面と、
 パソコンの両面戦略が濃厚に打ち出されていますし、コムデックス・
 フォール2002では、家電対パソコン対決のパネル・ディスカッション
 が行なわれるなど、家電の情報化戦略と、パソコンのAV、リビング進
 出は、より接近してきていること物語っています。

 報道で伝えれるパネルディスカッションの概要では、家電、パソコン
 両者の意見の一致を見るのは、音楽や映像などのデータ交換という点
 に集約されているように思います。

 データ交換という点では一致を見るものの、DVDレコーダーやパソコン
 のDVD映像記録など、機器普及に伴った映像編集などでは意見は分かれ
 るところのようです。

 Media Centerはコピー不可ということですが、データ交換にはCDのコ
 ピーガードやナプスターに象徴されたような著作権問題が最大の問題
 となるかと思います。折りしも、デジタルミレニアム著作権法(DMCA)
 の著作権保護対策を破るソフトを制作、販売していたロシアの企業へ
 の訴訟に無罪判決が下されました。

  ▼CNET JAPAN Enterprise News 2002年12月18日
  電子書籍の著作権破りに無罪評決
  http://japan.cnet.com/News/2002/Item/021218-2.html

 これは電子書籍ですが、DMCAはDVDの保護機構でも適用される法律で
 す。この判決では「故意」であったかどうかという点が問題になって
 いますが、無罪という判例は十分に波紋を呼びそうです。

 それでは、次回、来年になりますが、Vol.21でもよろしくお付き合い
 ください (^^)。

   ………………………………………………………

 ■お詫びと訂正
 前回の衛星放送について、音声の一部や制御信号はデジタルも含まれ
 ても、基本的にアナログ信号なので、やはり、デジタルはBSデジタル
 からではないかというご指摘をいただきました。

 ご指摘の通り、反省すると共に、補完的文章が欠落した状態での表現
 になっておりましたことを、ここで訂正させていただくと同時に、お
 詫び申し上げます。

 前回までの内容については、バックナンバーをご覧ください。

  ▼バックナンバー目次
  http://www.ari-web.com/mm/bn/index.htm

………………………………………………………………………………………
■3.3GPP音声通信(14) 側音特性
     Sidetone Characteristics
………………………………………………………………………………………
 電気通信事業者協会の12月6日の発表によると、auグループの次世代
 携帯電話の加入者数は、11月の1ヶ月間だけで60万人を越えました。

 PDCとcdmaOneの契約者数は、9万5千件、39万5千件減少していること
 から、今の所、cdma2000x1による第三世代への順次移行戦略が、成
 功していると言えそうです。

  ▼電気通信事業者協会のホームページ。
  http://www.tca.or.jp/

 これまで音響測定基準が存在しなかった第2世代携帯電話の分野でも
 情報通信ネットワーク産業協会(CIAJ)の通信品質委員会によって2002
 年5月に暫定版の標準規格「デジタルコードレスおよび携帯電話」と
 いう規格が新設されました。

 ITU-T勧告のP.313を基に一部規定を緩和したものですが、本年度を試
 行運用期間とし、来年(平成15年)度からの正式運用を目指すとされて
 います。暫定版からの移行において、改訂や正式な制定時期など注目
 されるところです。

 これまで、携帯電話の音質について確率された数値スペックがないま
 ま、メディア等の製品レビュー記事などで音質の良し悪しが取り上げ
 られてきましたが、測定基準が設けられることによって、同一基準で
 の定量的な評価数値ができることになります。

 機器の音響測定方法は、音声コーデックの影響などもあり、必ずしも、
 人間の官能評価と一致はしないかもしれませんが、利用方法や携帯電
 話の特性を考慮した測定基準による定量化は、ほぼ官能評価と比例し
 た音質評価となるでしょうから、制定された音響測定基準に沿った測
 定は、品質基準の安定と共に評価値としての定量化の基準とみなせま
 す。

  ▼情報通信ネットワーク産業協会のホームページ。
  http://www.ciaj.or.jp/

 ■12.側音特性
    Sidetone Characteristics

 前回は受話雑音測定をご紹介しました。今回は側音特性測定です。

 「側音」とは、送話器の自分の声が受話器に周りこんで聞こえる音の
 ことです。人は話をする時や歌を歌っているときなど、自分の声が聞
 こえると話し易く、聞こえないと話したり、歌ったりということが難
 しくなります。

 音楽コンサートのモニターでも、多くのボーカリストは、自分の声を
 モニターに返していますね。クラシック音楽などではモニター機構が
 ないため、オペラ歌手のソリストなどが、オーケストラと一緒に歌っ
 ているときには、オーケストラの演奏音で、自分の声は良く聞こえな
 い状態で、あの声量と安定したボーカルをこなしているため、音楽的
 な歌の才能以前に、この技術だけでも非常に高度な技術だということ
 です。

 側音特性は、このモニター性能を評価するための測定方法と基準値
 が定められたものです。

 多くの測定では、ダミーヘッドを使用して測定していますが、側音特
 性では、テストヘッドという人間の耳と口の位置に人工口スピーカと
 人工耳マイクを設置した測定装置を使用して測定します。

 ▼ブリュエル・ケア−社ホームページ 
  http://www.bksv.com/
  Telecommunication Solutionsのページで人工耳と人工口をご覧
  になれます。

 人間の耳と口の設置を規格書ではLRGP(Loudness Rating Guardring
 Position)と呼称、規定されています。

 ダミーヘッドを使用した測定方法についても、3GPP規格で検討さ
 れていますが、現在、規定されている測定方法は、テストヘッドを使
 用する測定となっています。

 テストヘッドを用い、漏洩度の低いカプラーを採用したType 3.2とい
 うローリーク(Low Leak)人工耳で受話器と人工耳を密閉することで、
 周囲騒音の影響や漏洩がなくなり、より正確な側音レベルを測定する
 ことができます。

 人口口のスピーカ出力特性の影響をなくすため、人工口にセットした
 MRPマイクで音声出力を測定してリファレンス値としています。受話
 器から出力される音声レベルと周波数分布を人工耳で測定し、リファ
 レンス値と比較することで側音レベルを求めます。

 測定には低域から高域までの成分を含んだ、会話類似信号(Speech
 like test signal)を使用し、側音レベルは18±5dBの範囲内と規定
 されています。

 ▼3G音響測定システム MTA-01WBによる側音測定の接続例
 http://www.ari-web.com/mobile/3g/mta01-wb/intro_04.htm 

………………………………………………………………………………………
■4.3G、モバイルIP電話(URLクリッピング)
………………………………………………………………………………………
 WEB参照可能な掲載記事などから毎日伝えられるニュースや記事から
 気になる情報や、翌日には埋もれてしまいそうな記事をピックアップ
 してご紹介しています(このメールマガジンの発行周期が隔週という
 こともあって新しい記事ばかりではありません)。

 このメールマガジン創刊時に、アメリカの第三世代携帯電話の相互の
 通話やデータ送信の互換がない問題を話題にしましたが、ルーセント
 が3G相互接続の実験をしているようです。

  ▼CNET Japan Tech News Mon 16 Dec 2002
  ルーセントが異種3Gネットワーク間を相互接続へ
  http://japan.cnet.com/News/2002/Item/021217-3.html

 先に苦戦のFOMAの統計を話題にしたことがありましたが、年末新モ
 デルの投入です。「504iSシリーズでできることは、FOMAでもできる」
 とのことです。

  ▼インプレスケータイWatch ニュース 12/10
  ドコモ、FOMA端末3機種を12月中旬より順次発売
  http://k-tai.impress.co.jp/cda/article/news_toppage
      /0,,12023,00.html

 待ち受け時間の拡大なども図られているとのことですが、FOMAの場
 合一般に言われている弱点の内、大きな点は、

  1.通話エリア
  2.サービス、コンテンツ
  3.バッテリ
  4.本体価格、通話料

 といったところだと思いますので、2、3番をカバーしようという
 ことになります。当然、2Gの携帯電話に比較するとバッテリどは、
 厳しいことは当然ですが、504iSより機能的に完全上位となることで、
 2の状況は「FOMAの特徴を生かした」コンテンツ、サービスという
 部分が残るのみになります。

 W-CDMA方式に場合、PDCに比較して、その受信回路の規模が大きく
 なるため、量方式を同一プロセスで製造する限りは、必ず、W-CDMA
 方式の方が消費電力が大きくなると想像されます。

 バッテリ性能、半導体技術、回路の工夫などによって各社とも、ど
 こまで可能かという努力がなされているのだと思います。

  ▼インプレスケータイWatch ニュース 12/17
  シャープ、新型ザウルスを使ったモバイルIP電話の実験を開始
  http://k-tai.impress.co.jp/cda/article/news_toppage
     /0,,12107,00.html

 先日、ZD NETに2002年は皆ホットスポットに熱心だったと揶揄した
 ような記事が掲載されていましたが、このモバイルIP電話の実験もホ
 ットスポットを対象とした実験です。

 ホットスポットに熱心だったのはサービス側と、一部のコアユーザー
 とのことでしたが、IP電話と無線LANの台頭が3Gの情報サービスの
 ライバルになると目されるように、当然、ビジネスチャンスと考えて
 いる企業は多数存在するのだと思います。

 IP電話が本格的になったとき、ITUは、IP電話も電話、通信の規格と
 して勧告を策定することになるのでしょうが、パケットの保証すら
 されないTCP/IPでの品質などの規格化は困難なように想像しますが、
 どうなのでしょうか。

………………………………………………………………………………………
■編集後記
 このVol.20が、今年最後の配信号となりました。

 創刊からおおよそ9ヶ月と1年には満たないですが、今年は読者の皆様
 には暖かく見守っていただき、ありがとうございました。来年は1月
 初頭に第1回発行となりますが、来年も今年同様よろしくお願い申し
 上げます。

 それでは、次回、2003年1月2日Vol.21もよろしくお願いします。
                         ARI A&S 編集部



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