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■ アメニティ&サウンド 音と快適の空間へ【Vol.33】2003年7月3日
□ 音響冷却方式と水冷式
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□はじめての方へ、
このメールマガジンのご登録をいただきましてありがとうございます。
「アメニティ&サウンド 音と快適の空間へ」は、隔週(第1、第3木曜日)
にお届けしています。内容を充実できるようにがんばりますので、末永く
お付き合いいただけますようお願い申し上げます。
■□■□■ CONTENTS Vol.33 □□□□□□□□□□□□□□□□□
1.開発ツールの話(26)
デバッガ、ICE (13)
2.サウンド(31)
音響冷却方式、水冷式
3.3GPP音声通信(26)
携帯電話の音響規格のはなし(6)
4.「CO2削減・百万人の環」の結果(URLクリッピング)
………………………………………………………………………………………
■1.開発ツールの話(25) デバッガ、ICE (12)
………………………………………………………………………………………
今回も前回につづいて、少しだけ余談編です。
1.CPU、DSPの内部の状態(レジスタ、フラグなど)モニター
2.プロセッサ周辺のモニター(メモリ、I/Oなど)
3.実行の停止(ブレーク、指定場所、条件付きブレーク)
4.1ステップ実行(ソースコード、実行コードでの1行実行)
5.任意部分の実行(および再実行)
6.ヒストリー(各種モニター情報の来歴記録)
7.各種ファイルのロード、セーブ
8.シンボル化(シンボル情報の読み込み、設定、編集)
9.CPU、DSPの内部の状態(レジスタ、フラグなど)モニター【2】
10.プロセッサ周辺のモニター(メモリ、I/Oなど)【2】
■10.プロセッサ周辺のモニター(メモリ、I/Oなど)
前回は、CPUがハードウェアとして正常に動作していることの確認
も必要というお話でした。
▼前回の内容は、バックナンバーをご覧ください。
http://www.ari-web.com/mm/bn/20030619.htm
類似した内容ですが、組み込みCPUのソフトウェアを設計実装する
場合には、メモリやI/Oなどのハードウェアのテストコードを設計し
てデバッグ段階で初歩的なハードウェアデバッグをしたり、製品出
荷テストに組み込む場合があります。
このような場合でも、ソフトウェアのテストの信頼性を確保だけで
はなく、メモリやCPUのハードウェア上の性質などの知識が必要な
場合があります。
例えば、ICEでのデバッグテストを行なう場合、CPUとは電気的特性
が異なるためバスやI/Oなどにコンフリクトが発生してもテストが
正常動作してしまう場合があります(バッファ出力が強いなど)。
実際のCPUに換装すると、コンフリクトが問題で、正常に機能しな
いという違いが生じます。割と原因は想定しやすいタイプの問題で
すが、ICEに頼ったプログラムコードのロジカルなデバッグのみを
想定している人は、全く理解できない誤動作です。
ソフトウェアだけしか考えないと、ICEで正常動作しているため、
プログラムには間違いがないという確認だけに終始し、そもそもの
動作しているイメージができません。
DRAMのリフレッシュをソフトウェアで補助する場合なども、ギリギ
リの実力にすると、特定のハードウェアでは動作しても、他では記
憶が消失するなどということも考えられます。ソフトウェアが主な
仕事であっても、ハードウェアの基本的な知識と、動作している原
理の理解は重要です。
さらに、先のコンフリクトや正常動作の確認には、オシロスコープ
などで確認するのが簡単で判りやすいのですが、オシロスコープや
デジタルストレージスコープを使ったことがない、使い方を知らな
いソフトウェア技術者も存在します。
アナログ技術となると大変ですが、デジタルのハードウェアのレベ
ルであれば、それほど敷居は高くありませんので、ソフトウェア技
術者でも、最低限のハードウェア理解やオシロスコープなどを利用
することができるようにしたい所です。
それでは、次回もよろしくお付き合いください(^^)。
▼ARIは、デジタル機器のハードウェア、ファームウェアの開発を
お手伝いしています。
http://www.ari-web.com/develop/index.htm
………………………………………………………………………………………
■2.サウンド(31) 音響冷却方式、水冷式
………………………………………………………………………………………
このコラムは音や音響についての話題をお届けしています。
以前にこのコラムで、静穏パソコンの話題を取り上げたことがありま
す。現在のようにAV性能などを重視したタイプのいわゆる「テレパソ」
は空冷ファンなどの騒音が無視できない状況です。
▼パソコンの静音設計とノイズ
バックナンバー 2002年11月7日 Vol.17
http://www.ari-web.com/mm/bn/20021107.htm
自宅で個人用のサーバーを持っている方などは、24時間稼動状態に
しているため、室内に設置しているサーバーの騒音が悩みの種となっ
ている方もいらっしゃるようです。サーバーの場合には、防音箱にで
も押し込めたいところですが、空冷のための換気や空調も問題となる
ため簡単ではありません。
今月の月刊ASCIIにも、静穏化パーツによるパソコンの静穏化の記事
も掲載されていましたが、DVDとディスプレイがホットになり、CPU
の高速化路線が劇的になった昨年あたりから騒音は関心の高い問題と
なってきたように見えます。
米インテルも昨年の4月の技術誌に冷却騒音の問題を取り上げ、性能
のみならず、静穏設計にしなければ、今後は、パソコンユーザーには、
受け入れられないと数ページに渡って訴え掛けていたとのことです。
米国での冷却騒音は、一般に想像されるような静かなものではなく、
掃除機を思い出すような騒音などと言われるようなファンの騒音を問
題にしていますが、AV機器のように利用するということになると、
掃除機レベルではなく、CD-ROMドライブの振動音や電源までかなり、
の静穏性を求めることになります(現在のVCRのレベルでしょうか)。
e-macではファンレスの静穏性をアピールしたアップル社も、G4では、
通称「風洞」と呼ばれ、ユーザーに"g4noize.com"という騒音に対す
るキャンペーンサイトを作られ多くのユーザーが不満を表明していた
ようです。
▼ユーザーの抗議活動が奏功? アップル、製品のノイズ問題に対応
Hot Wired News 2003年2月26日
http://www.hotwired.co.jp/news/news/
culture/story/20030228201.html
以前は、パソコン周りの騒音と言えばドットインパクト・プリンタで
したが、今では、カーボンを利用する伝票などを除いてドットインパ
クト方式も利用されなくなっていますので、パソコンの騒音と言えば、
プリンタの印字ノイズという図式も無くなってきました(インクジェッ
ト方式のプリンタは静かですが、レーザープリンタの騒音はそれなり
のものがあります。ドットインパクト方式のような耳ざわりなノイズ
音ではありませんが)。
音響技術の中に、熱を音(振動エネルギー)に変換するという技術も
あります。多孔質吸音材などは音を熱に変換しますが、その逆に熱を
運動エネルギーに変換して吸熱するという原理です。
音響変換方式を実用化してパソコンの、CPUのクーリングに応用する
のは、能率的に考えても難しいでしょうし、騒音という面で考えれば、
新たな騒音源になってしまいますので本末転倒となりますが、音に変
換した後にさらに電気に再度変換するということを考えている人もい
るようです。
集中的に高音を発するCPUの冷却の本命は水冷式の冷却だという説が
あります。NECの夏モデルパソコンでは、水冷式冷却をアピールした
モデルが発売されていますし、昨年は、日立が水冷式のノートPCを発
表していました。水冷式が本命となるのでしょうか。
それでは、次回もよろしくお付き合いください(^^)。前回までの内容
については、バックナンバーをご覧ください。
▼バックナンバー目次
http://www.ari-web.com/mm/bn/index.htm
………………………………………………………………………………………
■3.3GPP音声通信(26) 携帯電話の音響規格のはなし(6)
………………………………………………………………………………………
このコラムでは、国内の3G動向のニュースや発表などをご紹介する
ことが多いですが、今年の2月から3月には、海外のCDMA2000のユ
ーザー増加のニュースなどが報じられていました。
▼CDMA2000方式の3G携帯利用者、世界で3000万人突破
Hot Wired News 2003年2月12日
http://www.hotwired.co.jp/news/news/business/
story/20030214106.html
日本では、好調に転じてきたとは言え、まだ、それほど3Gへの移行
は進んでいるとはいえませんが、CDMA2000方式を世界に先がけて開始
した韓国では、5割以上がCDMA2000に移行済みとのことです。
世界のGSM、CDMAのシェアは、CDMA約1億4700万に対して、GSM
7億8700万とGSMのシェアが圧倒する状態となっています。3Gでは、
CDMA2000のシェアが高く、W-CDMAとCDMA2000の動向は予測でき
ませんが、GSMアソシエーションは、GSMの契約者数を、2003年の
末10億人と見込みを1月に発表しています。
▼世界の『GSM』契約数、2003年末に10億の大台に?
Hot Wired News 2003年1月15日
http://www.hotwired.co.jp/news/news/
business/story/20030116107.html
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3GPP規格は規格値やその計算方法、測定方法などITU-T規格を一部参
照して規定しています。今回も前回に続きITU-T規格についてご紹介
します。
▼前回までの内容はホームページのバックナンバーをご覧ください。
http://www.ari-web.com/mm/
▼3GPPについてはこちらのページでご覧ください。
3GPP(3rd Generation Partnership Project)
http://www.3gpp.org/
○ITU-T Recommendation P.501:
"Test signals for use in telephonometry".
「ITU-T P.501」では電話機の音響測定における試験信号について規
定しています。3GPP測定で使用する擬似音声信号(Speech Like Test
Signal)についても記載されています。
○ITU-T Recommendation P.581:
"Use of head and torso simulator (HATS)
for hands-free terminal testing".
「ITU-T P.581」ではダミーヘッド(HATS)を使用したハンズフリータ
ーミナルの測定方法、計算方法について規定しています。
ハンズフリー端末は通常、話者から離れた場所に設置され、通話を
行う場合受話音声は両耳で聞くことになります。このため、受話音
響特性の評価を行う場合、ダミーヘッドの両耳のマイク(人口耳)
を使用して測定を行います。
「ITU-T P.581」ではこの右耳、左耳の特性の加算の方法を記載して
いおり、送話音響特性の評価における、人口から出力する試験信号
の調整の方法なども記載しています。
▼ダミーヘッドについては以前にご紹介しました。
http://www.ari-web.com/mm/bn/20020606.htm
○ITU-T Recommendation O.41:
"Psophometer for use on telephone-type circuits".
「ITU-T O.41」では送受話歪測定や雑音測定で使用するソホメータ特
性カーブ(周波数重み付け)について規定しています。
▼歪特性測定については以前にご紹介しました。
【送話歪測定】
http://www.ari-web.com/mm/bn/20020919.htm
【受話歪測定】
http://www.ari-web.com/mm/bn/20021003.htm
○ITU-T Recommendation G.122 (1993):
"Influence of national systems on stability, talker echo,
and listener echo in international connections"
「ITU-T G.122」では音響エコー測定における計算方法について規定し
ています。
▼音響エコーの計算については以前ご紹介しました。
【音響エコーの計算】
http://www.ari-web.com/mm/bn/20030403.htm
今回まで3回に分けて、主要ななITU-T規格についてお話させていた
だきました。3GPPがその他参照しているITU-T規格はまだあります
が、またの機会にご紹介したいと思います。
▼ARIは3GPP,GSM,PDC音響測定に対応した「3G携帯通信開発用
音響測定システム MTA-1WB-S」を開発・販売しています。
http://www.ari-web.com/mobile/3g/mta01-wbs/info-3gpp.htm
………………………………………………………………………………………
■4.「CO2削減・百万人の環」の結果(URLクリッピング)
………………………………………………………………………………………
WEB参照可能な掲載記事などから毎日伝えられるニュースや記事から
気になる情報や、翌日には埋もれてしまいそうな記事をピックアップ
してご紹介しています(このメールマガジンの発行周期が隔週という
こともあって新しい記事ばかりではありません)。
■「CO2削減・百万人の環」の結果
前回ご紹介した「100万人のキャンドルナイト CandleNight」の時間
帯に日本上空を飛ぶ極軌道衛星から、日本列島を撮影した画像が掲載
されています。
雲の影響があるので、比較もなかなか判りづらい状況ですし、一瞥し
ただけだと違いがないように見えます。
▼100万人のキャンドルナイト
http://www.candle-night.org/
22日当日の東京電力の実際の電気消費量のグラフも掲載されています。
比較ではないので、どの程度の省電力効果があったのかまでは、よく
判りませんが...
また、環のくらしページも、「CO2削減・百万人の環」キャンペーン
の結果報告として、環境省から報道発表がされ、発表内容が公開され
ています。アンケート結果などがありますが、事前認知率は35.2%、
日本全体での参加人数は、推定約500万人だったそうです。
▼環のくらし
http://www.wanokurashi.ne.jp/
前回ご紹介時の参加施設は、314個所になっていましたが、現在紹介
されている参加した施設は、全国2235箇所となっています。
6月22日夏至の夜8〜10時の様子が、『CO2削減・百万人の環』
のページにライトダウン当日の様子として、フジTVや東京タワー、
横浜マリンタワーの様子などが写真掲載されています。
ニュースなどでも沢山報じられていましたが、キャンペーン施設で、
実際の消灯やキャンドル・イベントに遭遇、参加された方はいらっし
ゃったでしょうか。
▼『CO2削減・百万人の環』キャンペーンのページ
http://www.wanokurashi.ne.jp/campaign/index.html
※「次へ」というリンクをたどると数点の写真が掲載されています。
………………………………………………………………………………………
■編集後記
6月22日のイベントは、省電力ばかりが主眼ではありませんでした
が、電力問題がキャンペーンでの1つの提起要因であることは間違い
ないでしょう。
最大の課題は、夏のピーク電力ということになりましょうが、ロスの
長期停電の時のようなことになると本当に非常事態です。
信号やエレベータなどのわかりやすい部分だけでなく、情報系も非常
用を除いて全て停止することになります。昔の固定電話網であれば、
麻痺の度合いもある程度コントロールできたかもしれませんが、携帯
電話網の基地局などはコジェネで賄うことなどできないでしょうから
情報系は完全に不通になるのだと思います。
アメリカでは、テロの時に、都市と都市を結ぶごく少ない幹線が立た
れただけで、完全の1つの都市が外部通信網を失うような接続になっ
ていることが問題であるとされていましたが、日本も例外ではないの
ではないでしょうか。
多少、離れた場所であっても、東京幹線を経由して他に接続するルー
トが唯一となっている回線は結構存在していることと思います。
それでは、次回、2003年7月17日Vol.34もよろしくお願いします。
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