【Vol.16】2003年10月号

「ARIアメニティ&サウンド マンスリー」は、 毎月 第4金曜日にお届けしています。 みなさまにお楽しみいただけますよう努力する所存ですので、 今後とも末永くお付き合いいただけますようお願い申し上げます。

Vol.16

Amenity & Sound  アメニティ & サウンド

Manthly マンスリー
200310月号 CONTENTS

1 .技術・開発コラム

機密保持と携帯電話

2 .音と音響の四方山

デジタルオーディオ
最後のフロンティア

今月は、携帯電話の話題と、
デジタル・スピーカの2編です。

編集後記   配信サービスと停止      2003年10月24日発行
1

技術・開発コラム  機密保持と携帯電話

このコーナーは、 ディジタル機器の開発やソフトウェア開発にかかわることなど、 技術・開発に関するコラムをARIならではの観点で お届けできればと考えています。

職場ではカメラ付き携帯電話を禁止せよ:米アナリスト」 という記事がCNET JAPANに掲載されていました。

 ▼CNET JAPAN 通信・放送: 2003年10月22日

  「職場ではカメラ付き携帯電話を禁止せよ」:米アナリスト

カメラ付き携帯

ケータイ・イメージ カメラ付き携帯は人気の商品というより、 もはや定着したとも過言ではないほどポピュラーになっており、 「デジタル万引き」の件や、 今回の記事のように セキュリティの問題などが取り正されるほどとなっています。

記事によると、機密漏洩を防止するため、 写真機と同等の扱いとみなして社員まで含めて、 カメラ付き携帯電話の使用や持込を禁止している企業もあるということです。

産業スパイの可能性を考慮する場合、そもそも、 外部への情報送信手段としてショートメールなどでも 問題となる場合もあるかと思いますが、撮影ほど簡単に 同程度の情報を送信することはできないので不問ということでしょうか。

携帯電話の通信

現在は、個人用に限らず、会社から携帯電話を支給し、 迅速にコミュニケーションを 取ることができるようにしている企業も少なくありませんので、 敷地内のエリアは 外線まで完全に通話可能にしてある所の方が多いでしょうから、 たとえ、有線LAN経由のインターネット接続などを制限しても、 携帯電話網を利用して情報を送信される可能性は多分にあります。

携帯電話自身にカメラがついていなくても、 PDAなどとのコンビネーションも考えられますから、 一切を制限する必要がありますが、 現在の携帯電話の利用方法を考えると、 携帯電話での通信自体を制限することは難しいので、 カメラ付きや情報端末などのみは制限するということになりそうです。

デジタル万引き

色々な媒体のニュースになっていましたので、 ご記憶の方も多いかと思いますが、デジタル万引きというのは、 書店で、雑誌記事などを撮影して掲載されている情報を 取得(万引き)するというものです。

紙とペンでもこっそりメモはできますが、 そこまでやる人はほとんどいないでしょうし、 立ち読みして記事を良く記憶して書店を出るというのも 情報を盗んでいることになるとは思いますが、 記憶にとどめられる範囲に限られます。

参考: 日本雑誌協会とTCA、「デジタル万引き」への注意呼びかけ
インプレス ケータイWatch 2003/06/30

無線情報機器の応用

無線技術と半導体の発展で、 ワイヤレスで小型化された電子機器の利用は、 携帯電話やPDAなどのような情報端末に限らず、 ウェアラブルコンピューティングと呼ばれる 身体に装着する情報機器なども考案されています (携帯電話は持ち込みを制限して預かるということがあるそうですが、 ウェアラブルの場合には、 入室の際に服を脱いでもらうということになりますね)

利用方法にもよりますが、 無線ネットワークを利用した情報化は飛躍的に情報化、 応用用途を広げる可能性がありますが、 セキュリティ面の問題が常に問題となります。

技術開発などの情報に限らず機密漏洩の防止は、 重要な問題ですが、 そのセキュリティを堅牢にするのはなかなか難しいことです。 ほんのわずかなヒントでも (例えば、一瞥しただけのアバウトな形状や、一言のキーワードでも) 、専門家には十分な情報となり得るので、 一切の情報を外部の人間に与えないというのは 並大抵の手段では防ぐことができないのが実情でしょう。

TV受信

次は、携帯電話でTV受信も可能になります。

一時期、 就業時間中のインターネットの私的アクセスを制限したり、 社員の私用利用を問題にしているという 企業の話を耳にしましたが、今度は、 携帯で受信したメールの確認をしているかと思ったら TVを見ていたということも起こりそうです...

それでは、 次回もよろしくお付き合いください。 (^^)

ARIは、デジタル機器の ハードウェア開発、ファームウェア開発、音響システム開発 などをお手伝いしています。
携帯電話(3G、GSM)開発用の音響測定器製品 も開発販売しています。
CONTENS
2

音と音響の四方山  デジタルオーディオ最後のフロンティア

音と音響の四方山 このコーナーは 音や音響についてのコラムをお届けしています。 あまり指向を決めているわけではありませんので 雑多な感じになりますが、 お付き合いいただければ幸いです。

今年の3月の IEEE "SPECTRUM"(会誌) のカバーストーリのタイトルは、 ”Digital Audio's Final Frontier”でした。

デジタルオーディオの最後のフロンティアということですが、 最終段階までフルデジタルのアンプというストーリーで、 シャープの1bitアンプなどが紹介されていました (カバーアートもシャープの1bitアンプでした)

Tomorrow

記事の内容は、 簡単にいうとD級アンプの紹介と、 今後、DSPを搭載して 高精度のアナログ・パワー出力のデジタルアンプになる というような内容です。

記事は オーディオ専門外の読者にも向けられている内容ですから、 解りやすくハイエンド機では以前から実現されているような デジタルアンプの形態も"Future"になっています。

現在は、 アナログ入力をD級アンプで増幅してアナログ出力している状態で、 将来は、デジタル入力を そのままデジタルアンプがアナログ出力するという 簡略化したモデルで説明されています。

7月に取り上げたように、 今年は、高級機から携帯用オーディオプレーヤーまで D級アンプが主流となってきており、 今年の年末には、 SACDプレーヤーも、 ダイレクトにデジタル出力するモデルが登場します。

デジタルアンプ / Dクラス

デジタルアンプは、7月にも取り上げましたのでが、 デジタルアンプというのは、 信号をデジタルのパルスに変換し、 そのパルスを積分してアナログ量に変換する方式の 信号増幅器のことをさします。

SPECTRUMの記事では、 D級アンプにDSPで補正してアナログ出力するとされていました。

デジタルアンプは、 高効率で熱損失が非常に少なく、 消費電力を低く押えることができる点と、 デジタルで伝送入力された信号をアンプ内部の 出力ギリギリまでデジタルで処理することで ノイズや歪などが少なくできます。

AVアンプの高級機は デジタル入力を そのまま出力段までデジタルで処理するものが趨勢となっており、 まさに、Tomorrowとされていたデジタルアンプの図式が、 現在(Today)展開されています。

アンプかスピーカか

スピーカ・イメージ D級アンプによって小型、省電力化し、 その補正をDSPで行うのは、 アクティブスピーカによるデジタルスピーカ方式が 主流になる可能性も否定できません。

民生用では、 アンプからスピーカまでの伝送距離は短いので、 マニアの方を除いて、 スピーカケーブルでのロスなどは問題になりませんが、 商用施設では、伝送路での損失も無視できません。

デジタル伝送にしてスピーカで増幅すると、 スピーカケーブルは、 デジタル信号が再現できれば良く パワーラインではなくなりますので、 対ノイズだけでなく、 配線抵抗でロスが生じることは問題になりません。

各スピーカに別途電源が必要にはなりますが、 デジタルの信号ラインは、 1本で多チャンネルを伝送することも可能になります。 アナログの信号の場合には、 全てのスピーカに別々に信号線が必要ですが、 デジタルの場合にはこれをまとめてしまうことが可能です。

音場補正は?

スピーカまで含めた補正についても、 デジタルスピーカが それぞれの特性を補正できるDSPを搭載しているとすると、 チャンネルディバイダーや、ディレイ、 音場補正のためのEQなどを 全てスピーカのDSPで行うという方式が考えられます。

複数スピーカスピーカ側で処理すると、 伝送経路の信号は、 グループ化した共通の信号ラインのみで済ますことができますし、 従来ならチャンネル分割していた信号を元の信号のまま伝送して、 スピーカでチャンネル・ディバイダの役をこなすことも考えられます。

デジタルスピーカを実現した場合、 音量設定(ボリューム) や検査(オープン、ショート) のための通信を行う必要が生じますので、 音場補正のための通信も問題無く実現できます。 民生用では、アンプ側で音場補正を行う方が リソースの面で有利かも知れませんが、商用設備では、 スピーカで処理する方がコスト的に有利になりそうです。

デジタルスピーカと、 デジタルアンプ+アナログスピーカ+チャンネルディバイダ+ディレイ+EQ とを比較してどちらがローコストになるかということになります。 機械室やラック、配線、配管までのTCOでは、 デジタルスピーカに軍配が上がりそうですが、 予想は、なかなかむ難しいですね。

次回は、さらに発展させた可能性を考えてみたいと思います。 それでは、次回もよろしくお付き合いください。 (^^)

CONTENS

編集後記

 先月末の東京のJR中央線の工事以来、 開かずの踏み切り問題が、 政治家の選挙にまで利用される問題になってきていますが、 Yahoo!ニュースでも、専用ページにまとめられる数になりました。

Yahoo!ニュース 「JR開かずの踏切問題」

中央線の武蔵野近辺に限らず、 通勤時間帯などでは、 かなり開かずの踏み切りに迫る踏み切りは多数あるように思います。

影が薄くなりましたが、 この中央線工事関連の最初にニュースになった、 施工図のミスなどによる配線ミス、 多重ミスとその防止策というものに、 個人的に少し興味があります。

単純なミスが重なったという発表でしたが、 人間工学の専門家の研究で人がミスを犯す確率は それほど成長変化しないということを聞いたことがあります (すみません。情報源は失念しました)

もし、ミスを犯す確率がトレーニングや経験では、 あまり改善できないのだとすると、 ミスを見つけて防止することが重要となります。 業種は異なりますが、単純なミスを防止することは、 以外と難しいので JRの工事ミス防止策のアイデアには興味を持っています。

それでは、 次回、2003年11月号もよろしくお願いいたします。

ご意見、ご感想、技術関連のご投稿 など歓迎いたしますので、なんでもお気軽にお寄せください。

※ご感想をお寄せいただきありがとうございます。 全ての方に返信できなくて申し訳ありません。 この場で御礼申し上げます。

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