【Vol.12】2003年6月号 |
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「ARIアメニティ&サウンド マンスリー」は、 毎月 第4金曜日にお届けしています。 みなさまにお楽しみいただけますよう努力する所存ですので、 今後とも末永くお付き合いいただけますようお願い申し上げます。
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技術・開発コラム ■ 音を処理する【前編】 |
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デジタルの音響信号をCPUやDSPで処理する場合、 そのソフトウェアは、 音質や場合によっては、 音のキャラクタ (芯の太い音、広がり感のある音など) にも影響する場合があります。 |
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プロセッサ、DSP |
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エフェクターなどに代表されるような信号処理に DSP (Digital Siginal Processor) などで処理されることが多いということはご存知かと思います。 一般に呼称されている
DSP
は、ハードワイヤリング
(ハードウェア回路で専用処理を行なうようにされたもの)
のプロセッサと
ソフトウェアで動作させる汎用的なプロセッサ
の2種類のプロセッサが用いられています。
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しかし、 マルチ・エフェクタのように 多くのバリエーションのある処理は、 その分だけ回路が必要となるため、 あまり適していません。 |
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ソフトウェアで動作している場合でも、 機器のハードウェア構成を最適にするために カスタムチップで実現され、特別な演算回路や、 機器専用回路を内蔵するプロセッサである場合も多々あります。 |
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速度と分解能 |
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デジタルの音響信号は、CDの場合で 44.1KHz (約22usに1データ)とデータの処理速度も高速です (ビデオ信号方が高速な場合は多いですが) 。 信号処理プロセッサは、 この1周期の間に全ての計算を終える演算速度が必要です。 実際には、 複数のチャンネル数分を演算しなければならないため、 かなりの演算速度が必要になります。 この速度は、
処理するチャンネル数とサンプリング周波数で決まりますが、
CDの44.1KHz
より、DVD-Audio
の96KHzは倍以上のサンプリング周波数ですから、
半分の時間以内に演算を終えないと
同じ信号処理が実現できなくなります。
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最近のAVアンプが 多語長の高性能プロセッサを搭載していることが多いのは、 スペック主義ではなく メーカーが主張しているように音質のためです。 単純な例では、 非常にレベルを下げて語長が失われたデータを レベルアップするような処理になる場合、 失われるデータによって分解能が低下します。 実データより高い演算語長が必要となる 最も判りやすい端的な例は このようなレベルによる語長損失ですが、 演算の誤差が蓄積することによる精度低下や、 そもそも演算上精度が必要となる イコライザなどの演算もあります。 |
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リバーブ音の品質を向上させるためには、 減衰した音を記憶して繰り返し演算している部分で、 より分解能が高い演算をする必要があることは 簡単にイメージできます。 極端な例でいえば、サイン波も、 ノコギリ波もレベルを限界まで下げると、 デジタルでは1ビット解像度の 方形波データになってしまいますが、 演算精度が高い場合には、 波形を保ったまま加算演算できますから その誤差が累積した出力結果は当然異なります。 |
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この話題は次回も続きをお届けします。 HTMLなのにテキストの比重が多くで申し訳ありません。 それでは、 次回もよろしくお付き合いください。 (^^)
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音と音響の四方山 ■ 身近な音響測定の話 |
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テキスト版のアメニティ&サウンドでは、 昨年、音響測定のコラム連載をしていました。 今回は音響測定の話題にしてみたいと思います。 |
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音響測定 |
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音響測定と一言で言った場合には、 一般には、可聴帯域の測定を連想しますが、 超音波なども含めると、音響測定、 計測技術の応用範囲は意外と広範囲に及びます。 騒音や、防音 (遮音)、スピーカなどの音響機器の特性測定、 工業機器の騒音レベル測定、音響探査のような測定や、 医療機器などでの超音波測定、そして、 ホールや劇場などの放送サービスの特性測定まで、 幅広く利用されている音響技術で測定が行われます。 ARIの音響測定業務は、
最後に挙げました放送サービスや拡声などでの
音響特性を測定する分野です。
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このコンクリート劣化の測定は、 超音波を利用して測定検診する機器が存在します。 音響測定とか診断などと呼ぶと堅くて難しそうに見えます。 色々な評価方法や測定方法、基準値などが定められていると、 非常に高度な感じもしますが、実際は、 色々な観点で音量などを測っているだけです。 |
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特定の条件や、 観点でどれくらいの音量となっているかを測定していることが、 全てといっても過言ではありません。 周波数特性も特定の周波数帯域の音量を測定しているだけですし、 RT60などの残響にしても、残響時間を測定する基準は、 -60dbダウンする音量変化を測定し、 その時間を評価していますから、本質的には、 音量、音の大きさを測定していることになります。 |
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ホームシアターの自動計測機能 |
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以前から、ホームシアターシステムやAVアンプには、
スピーカとリスニング位置との距離を入力して音量や
ディレイを調整する機能がついていますが、
スピーカをマイクの代わりに使って測定と自動調節するのは、
なかなか面白いと思いました。
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リアサラウンドとメインスピーカとの間を 音がパンニング移動していたり 擬似的に上方に定位させるために 全チャンネルを利用してミックス調整されているソースの場合、 各スピーカのバランス、 音量などが調整されていないとうまく音場再生されないので、 ホームシアターでの音響調整は重要です。 調整するためには、測定が必要になりますが、 マイクやなどが必要になりますから、 スピーカをマイクの代わりに利用する方法を採用されているのは 家庭向けとしては適した方法だと思います。 |
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測定した音は、 CPUに入力される説明図ブロック図になっていましたので、 手を叩いたアタック音のタイミングと ある程度の範囲のピーク音のみで調整されるのだと思いますが、 詳細は記載されていませんでした。 説明では、音量とディレイを調節するそうです。 業務用放送などのアクティブな音量調節などでは スピーカをマイクに利用して動的に放送の音量を調節するという アイデアは以前から存在していますし、 実際に採用されている施設もあるかもしれませんが、 民生機器では、今までそのような機能は必要なかったので、 7月に発売されるAVアンプが始めてではないでしょうか。 このAVアンプのような方式が一般化すると 最も身近なところで働いている 音響測定器ということになりそうです (自動車の超音波測定の方が身近かも知れませんが)。 |
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文中では、 音響測定業務について触れましたが、 携帯電話の開発用の音響測定システムMTA-01Wという製品を開発、 販売しています。 このシステムは多くの携帯電話メーカー様に ご採用いただいています(ありがとうございます)。 それでは次回もよろしくお付き合いください。 (^^)
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■□ 編集後記 □■ |
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あるニュースサイトのマーケティング記事に、 HDDレコーダーの将来市場予測の記事が掲載されていました (すみません。 リンク不可なのでリンクでご紹介できません)。
パソコンであれば、 代替ドライブでも利用できると思いますが、 HDDレコーダーは、 特定の識別ができないと利用できない可能性が高いですし、 ユーザーが新たなドライブを認識させる手段はありませんので、 自分で交換するには、 修理パーツを取り寄せることができる サービスセンターから修理パーツを 取り寄せることになるのではないでしょうか。 そうだとすると、 修理パーツを取り寄せ可能なメーカーに限定される上、 メーカーのサービスセンターに パーツ番号などで依頼することになるので、 修理に出すのとどちらが手軽かは判らない (むしろパーツ取り寄せの方が敷居は高いと思いますが) ですし、 ビデオヘッドなどの消耗品交換より技術的にイージーであっても、 あまりアドバンテージにはならないような気がしますが... マーケティング的には... アドバンテージがあるという分析になるのでしょうか? 家電量販店の店員の方にも意見を伺ってみたいところです。 それでは、 次回、2003年7月号もよろしくお願いいたします。
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■□ 配信と配信中止 □■ |
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