【Vol.2】 2002年8月号 モニター:ヘッドホン/スピーカ |
「ARIアメニティ&サウンド マンスリー」は、毎月 第4金曜日にお届けしています。
みなさまにお楽しみいただけますよう努力する所存ですので、
今後とも末永くお付き合いいただけますようお願い申し上げます。
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1 | 技術・開発コラム ヘッドホンモニター |
このコーナーは、ディジタル機器の開発やソフトウェア開発にかかわることなど、
技術・開発に関するコラムをARIならではの観点で、お届けできればと考えています。
■ デジタル機器の開発とモニター ディジタル音響機器の試作、開発では、通常、密閉型の高音質なヘッドホンを利用して音質評価しています。 (※このコラムは、オーディオテクニカ社のヘッドホンの開発の話題ではありません。 ARIが製品開発に携わらせていただいたわけでもありません) 音響機器の開発中は、実験室や開発室がスタジオのように防音されているわけでもありませんし、 他の作業員もいますので、邪魔にならないようにスピーカのモニターはあまり使用せずにやむを得ない場合以外は、 ヘッドホンによるモニターで作業を行ないます。
試作時など開発初期には、誤ってフィードバックループで発信したり (ハウリングのものすごいやつになります) ノイズが出力されたりします。 モニタースピーカから音を出して作業をして、このような雑音を発すると他の技術者の迷惑になりますから、 ヘッドホンを利用するのですが、DSPの処理を誤ると、 爆発音のような音が出たり、最大音量で発信音が出力されて心臓が止まりそうになります (・o・; 時間遅延を利用するエフェクター(ディレイやリバーブなど)の場合には、 DSP(ディジタル・シグナル・プロセッサ)は、メモリーに記憶した信号音を処理して出力します。 このときDSPのソフトウェアを間違えると、 ディジタル信号が連続した音にならないので予想もつかない出力信号になります。
この多数が不正な信号になると、爆発音のようなノイズが大音量で出力されます。 (^^; 以前にヘッドホンをして発信器を持つディジタル機器を開発していた時には、 最大音量でサンプリング周波数32KHzでフルスイング発信させたこともあります。 この時は、なぜか非常に小レベルでしか発信出力されていない状態だったので、 ボリュームを最大に して音をモニターしながら調べていたのですが、 作業している内に16KHzのフルスイング出力されている状態になっていました。 16KHzは、人間の可聴帯域(音として聞こえる周波数範囲)なのですが、 サイン波(純音)をヘッドホンで聞いたこの時には、 音を聞いているというよりも、何かしらみょうに圧迫感があるという感じでした。 スイープ(連続的に周波数を変化させた)音の場合や、ブラインドテストでは 16KHzが判別できても、無意識に聴くと、最大振幅レベルでも、 サイン波が鳴っていることに気が付かないことがあるのだと判りました (出音、消音のクリックや違和感を感じていますが、予期している音は聞こえないので)。 オシロスコープを見たら、管面が真っ白(右の図のように) になっていて(小レベルを調べていたのでレンジも フルスイングは表示できないレンジなんです)、 なにが起こっているのか理解するまでしばらくの間そのまま16KHzを最大音量で聞きつづけていました... ディジタルヘッドホンの開発で、 初めてハウジングに収めてテストする時には勇気がいるのでしょうね( デバッグ用の試作はハウジングに収められていないのでしょうけれども...)。 (^^)
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2 | 音と音響の四方山 モニタースピーカ |
このコーナーは、音や音響についてのコラムをお届けします。 前回は、12音階、音階名とチューニングについて音楽音響的内容をお送りましした。 「1.技術・開発コラム」 がモニターの話題ですが、こちらのコラムも今回は、期せずしてモニターに関連したお話です。 ■ モニタースピーカ
商用施設の放送室などのモニターを連想される方や、 各種コントロールルームの警報などのモニター用スピーカーを連想される方もいらっしゃるかもしれません。 今回のモニター・スピーカは、音響スタジオなどでのスピーカについてです。 モニターはリファレンス用として、メインは制作時のためにと モニタースピーカとメインスピーカには、それぞれ役割ががあります。 モニターとメインでは採用する場合の選択基準が異なるのですが、 モニタースピーカーに関しては、採用選択に特徴的な点があるように思います。 数年前に、あるアマチュアのDTM(デスクトップ・ミュージック) を趣味にいしている方が 「○○○(というモニタースピーカ)が レコーディング・スタジオで採用されているのをよく見かけるので、 ○○○を購入するのが良いと思うがどうか?」 と質問したのに対して、 相談された方(同様に趣味の人)は 「○○○も、×××も良い。 音を聞いて、自分の音楽にあったスピーカをモニターに選択するのが良い」 と回答されていました。
メインスピーカーは、対象とする音楽分野との相性が良く (クラッシック音楽に向くとか ポップスに向くなど) クオリティが高いことが求められます。 一方、モニタースピーカーの場合、音質もさることながら、 リスナーが聴く環境(メディア、ミニコンポ、テレビなど)や、 CDマスタリングの結果、どのように最終的に聞こえるのかが予測できたり、 初めて利用するスタジオであっても、どのように仕上がったかが判断できることが重要です。 アマチュアの場合、他の人がモニターを聴いて判断する必要がありませんから、 プロと同じ機材を選択しなくても、バランスや定位などが確認できて、 制作した音がどのようにリスナー環境で聞こえるのか予測できるのであれば、 専用にモニタースピーカを使わなくても、メインスピーカーだけで十分な場合が多いのではないでしょうか? 癖が強いメインスピーカを利用していたとしても、 メインスピーカでの聞こえ方が、他の環境ではどのように聞こえるかが判っていれば、 モニタースピーカで確認しなくても制作できます。 最近、あるきっかけで、このモニタースピーカの件を思い出したので、 今回は、モニタースピーカーについて書いてみました。まだまだ、モニターに関しても、 色々ありますが、またの機会に... それでは、次回もよろしくお付き合いください(^^)。
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編集後記 □■ HTMLメールのこと 創刊当初にもHTMLメールのコーディングの件を編集後記に書きましたが、 HTMLメールの形式やコーディングをメール閲覧ソフトウェアにあわせるべきなのですが、 メール閲覧ソフトのHTMLレンダリング(表示)の互換情報などは、 ブラウザに比較すると少ないので、確認できていないメールソフトで実際にはどのように見えているのかは、 やはり少し不安なところです。 何か表示に不都合があるとお感じの方がいらっしゃいましたら、お手数ですが、 お知らせいただければ幸いです ( ブラウザでもそうですが、正しい表示がどのような状態かがわからないので、 読者の方はかなりひどい状態でなければ、不都合なのかが判別できませんね。 スミマセン)。 (^^) 顔文字 HTMLなので、スマイルマーク(顔文字)などは、 GIF画像にしてしまうことも考えたのですが... 日本版の顔文字 (^^) で良いということにしました。:-) 過去にはテキスト文字で表現するために生まれた絵文字ですが、 画像が利用できるホームページなどで、現在でも多用されているのは、 利用しやすく、表現したいニュアンスが伝わりやすいと考えられているからでしょうか? 余談ですが、Google日本語版 などの検索エンジンでは、記号は単語の区切りに当たるため、たいていの絵文字は検索されませんが、 "φ"(ファイ)の文字は、 全角の記号のため検索対象とされ、実行すると、 ”φ(..)メモメモ" という絵文字を含んだタイトルのページが検索結果の1ページ目の中に表示されます (日本語のページを検索した場合です)。 検索結果2ページ目(10件表示の場合)には、 "φ(..;)"や ”ちょこっとφ(..)めもめも帳" や"φ(..)社員Aによる報告"、 "☆ かきこめ!φ(。。;) ☆" と沢山の"φ"を絵文字に使ったページが見られます。 それでは、次回10月号もよろしくお願いいたします。 (^^)
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